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魔弾の王と戦姫 〜戦場に揺蕩う時渡りの嵐〜 【更新停止】
02. 『保護という名の拉致&ティグルの弓の腕前』
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るりを回したその時、ある一部の場所を凝視した。気になってその地点を見る。

後もう少しでわかりそうになった時、ティグルがエレンへ叫んだ。

「伏せろっ!」

ようやくわかったのは、機械仕掛けの弓を持った人影が城壁上(じょうへきじょう)にいること、その人影が戦姫(エレン)を狙っていることだ。

機械仕掛けの弓から矢が放たれると、風を切り裂くような唸りを上げて直線にエレンへと飛んで行った。しかし、当の本人(エレン)はうろたえず、その場から離れようともしない。

「ーーー アリファール」

呪文のような呟きをエレンが零すとともに、腰に帯びている長剣を抜き放ち一閃させた。切り裂かれた大気に白い軌跡が刻まれ、銀の粒子が撒き散らされる。刹那、刻まれた大気が膨れ上がり、軌跡を中心に暴風となって吹き荒れた。エレンの目の前で矢は暴風に絡め取られて軌道を大幅にずらされ、何もない地面に力なく突き立った。

ボクが唖然としながらエレンの持つ長剣を見つめていると、リムが(ひとかげ)を捕らえるように言ってようやく元の意識に戻った。リムの叫びに兵たちも行動を始める。ボクも特典(スキル)の中の一つにこの状況で役に立ちそうなものがあったので近距離で監視的なことをしている兵士に尋ねる。

「おじさん、槍貸してくれない?」

「おじっ……まあいい。ほらよ、何に使うんだ?」

「ちょっとしたことだよ」

訝しげになりつつも、此方の要望に応えてくれた兵士(おじさん)から短槍と呼べるような槍を貸してもらうと槍の重さに耐えつつ特典(スキル)を発動させる。

「【衝撃強化(ブーステッド)】」

先ほどのエレンのように呟くと、ボクの武器を持っている方の手の甲に魔法陣のような六芒星が浮かび上がる。さっきまで感じていた短槍の重量が消え、鳥の羽でも持っているような軽さに変化した。その重さに慣れるために軽く縦横に振っている。

ボクがなにをしたいかというと、あの(あんさつしゃ)にこの槍を当てること。若しくは、ボク自身が兵士たちに舐められないように力を持っていることをわからせるためだ。

短槍の重さにも慣れたところで(ようや)く集中を高め始めた。目標は(あんさつしゃ)の生け捕りだから、機動力(あし)を狙う。呼吸を静謐にし、息を吸って、吐いてを繰り返して照準を定める。そして、目標とする地点に的(あんさつしゃ)が差し掛かった瞬間にボクは身体を弓のように弾き絞り、

「………シッ!」

某赤枝の騎士の宝具のように引き絞った力を余すことなく短槍に伝えて投擲した。

投擲した体制のままで結果を見ると、ティグルもボクと同じように(まと)を生け捕りにするために足を狙ってあの(そあくひん)で命中させたらしい。そして、ボクの投擲した短槍だが足へと命中“
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