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魔弾の王と戦姫 〜戦場に揺蕩う時渡りの嵐〜 【更新停止】
02. 『保護という名の拉致&ティグルの弓の腕前』
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ラ)だと思う女性は上機嫌な様子でこちらへと歩いてくる。まずティグルに、
次
(
つ
)
いでリムへ向けて、最後にボクへと笑いかけてきた。
リムの態度やティグルの緊張度、そしてさっきの光景からしてこの女性が
戦姫
(
エレオノーラ
)
本人だと確信がもてた。
それから、ティグルヴルムドとエレオノーラの愛称呼びが解禁された。と言ってもティグルの方は解禁されていたが。後は、ティグルの捕虜の代金が提示された。この世界のお金の価値は知らないが、結構な額のようでティグルが減額を願ったことから確認済みだ。それに、脱走を試みれば死刑だそうだ。初めて知った。ボクも捕虜という扱いだからな。注意しようっと。
「それで……俺をこんなところに呼んだ理由はそれだけか?」
金欠で苦しんでいた風体から直ぐにふてぶてしい
様
(
さま
)
さえ感じさせるティグルの態度と台詞にエレンはほう、と感心したような声を上げ、紅の
双眸
(
そうぼう
)
を楽しそうに輝かせた。
「もちろん、これだけではないぞ。
ティグル
(
おまえ
)
には是非ともやって欲しいことがある」
エレンが指を指したのは、城壁に沿って並んでいる弓の訓練用の的だった。ボクもティグルの腕前を近くで見たかったのだが、
保護者
(
リム
)
が一般兵にボクを連れて距離を離す様に言った。ムゥ…過保護だ。
少し不満げにしながら、抵抗はせずにそのまま連れて行かれた。
さっきの位置から二十メートルほど離れるとそのまま
兵
(
じゃまもの
)
はボクを監視する様な目線でこっちを見てくる。しょうじき、ウザいと思うよ。そんな目線はね。
悪態を心中で零しながらティグルの様子を見ると、あの弓は粗悪品だとティグルも思っていることをこの距離でもわかった。だって、ティグルが顔をしかめているし、渡したやつはニヤニヤと笑いながら見ているからだ。
「…………つまんない真似してんじゃねーよ…」
軽い殺気を発しながら渡した優男たちを見ると、途端にキョロキョロと辺りを見渡す。はんっ、見つかるわけないでしょうに、誰もこんな
子供
(
ガキ
)
が殺気なんて出せるはずがないとでも思ってるはずだからな。油断大敵だっつーの。
心の底から嘲りながら、ティグルが弓を射ているのを見る。第一射は二百メートル付近で墜落し、第二射は失速しなかったものの、的を大きく外れて城壁へと当たった。それを見て兵士たちは嘲りの失笑や哀れみと蔑みの視線が現れる。
人のことは言えないが、あんな弓でできる方がおかしいでしょうに…。
リムは苛立たしげな声をティグルにかけ、気遣うような目線をエレンに向けて、エレンは困った顔をしている。兵士たちも陰口をたたく。正直煩わしくてたまらない、今すぐにでも陰口をたたく兵士を締めたい。
イライラしながらティグルの方を向く。すると、ティグルが気分転換でもするように首をぐ
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