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魔弾の王と戦姫 〜戦場に揺蕩う時渡りの嵐〜 【更新停止】
02. 『保護という名の拉致&ティグルの弓の腕前』
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かった。

「ティグルヴルムド=ヴォルン伯爵を起こしてくるので、廊下(ここ)で待っていてください」

そう言い残して、リムはティグルヴルムド=ヴォルン伯爵が居る捕虜の部屋に入って行った。しばらくの間は我慢していたが、待って居いる時間が5分、10分と過ぎて行く内に暇になってしまった。リムが早く帰ってこないかなぁ…。と、寂しい気持ちで、手持(ても)無沙汰(ぶさた)になってしまった。暇つぶしにステータスを眺めていると、状態が微衰弱から健康へ変化していたことや特典(スキル)の一覧のところで何気なく【時間掌握(スフィア)】と表示されている文字をタップして見た。すると、『この特典(スキル)は条件をクリアすることで派生します』と表示された。あいにく、【空間倉庫】と【グロ耐性】はだめだったが【時間掌握(スフィア)】と【衝撃強化(ブーステッド)】が派生できる特典(スキル)だったらしい。しかし、派生の条件が開示されてはいないからなにをすればいいのかわからない。多分、人を殺すことだと思うけど……。

少々物騒な考え事をしていたら、リムがティグルヴルムド=ヴォルン伯爵と思える少年と一緒に出てきていた。怒った声音や態度からして多分、ティグルヴルムド=ヴォルン伯爵が寝坊でもしていたのかな? そんなことを考えながら、ボクとティグルヴルムド=ヴォルン伯爵はリムの後ろについて行った。

ティグルは話してみると結構気さくな人で、子供のボクが名前を言いづらそうにしていたら、「親しい人にはティグルって呼ばれてるから、ティグルでいい」と言ってくれた。そのあと、公宮について興味深そうに見ていたティグルに、リム呆れた表情で話しているのを見て、大人しく観察を続けた。さっきも見ていたけど、詳しくみると中世の世界っぽい作りになっていることがわかる。中庭に面している側は壁ではなく列柱式になっているところや床を飾るモザイク模様なんかが少し似ている。

宮殿を出て、しばらく歩いたところでようやくリムが止まってくれる。

「ここです」

連れて来られた場所は、城壁のそばにある屋外の訓練場のような施設だった。三、四十人ほどの武装した兵士っぽい人に混ざって銀髪の美人が立っていた。青を基調とした服装で、腰に銀色の鞘をした長剣を帯びている。

「ティグルヴルムド=ヴォルン、少しでもおかしな動作をすれば……いや、むしろしてくれた方がいいですね。いろいろと手間がはぶけますから」

子供(ボク)がいるが、「殺すことも視野に入れなければならない」と言っていたように変に遠慮はしてないようだ。見せつけるように、リムは腰に差している剣の鞘を鳴らす。もしかして、ボクに対する警告でもあるかもしれないと思い、変な行動はしないことにしようと思う。

「ん、来たか」

ボクたちに気づいた戦姫(エレオノー
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