暁 〜小説投稿サイト〜
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Round《4》〜ワンサイド・ワンサイド〜
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 ライトが大太刀とスラッシュアックスをしまう。代わりに抜き放ったのはチャージアックス。盾と剣に分離する便利武器だ。

「しぃいっ!!」
「らぁぁぁッ!!」

 激突する剣と剣。その衝撃を利用して場を切り抜けるアスカを、神速で追いかけるライト。二本のレイピアが閃き、時折迫ってくるライトの攻撃をいなす。

 ライトのチャージアックスは、時間経過で斧の形に戻さなくてはならない。武器の形状が変わると同時に、次の武器が取り出される。二本の短剣……《双剣》だ。

 ライトの装備は鎧系。どちらかと言えばタンク系の装備だと言える。しかし、電撃による高速移動で、そのデメリットは打ち消されている。つまり、双剣の手数の大さとスピードも殺されないのだ。

 両者の剣がぶつかり合う。ライトの剣からは電撃が。アスカの剣からはソードスキルのエフェクトライトが。

 時折異能や《螺旋》で無効化される光が見えるが、お互いに隙を見せることはない。

 そして、両者の剣がかみ合ったその数、二百を超えようかという時に――――

 アスカの体から、ダーククリムゾンの何かが、流れ始めた。

「……来るかっ!?」
「ぐぅ……ッ!?」

 ライトが距離を取り、使用者であるはずのアスカがうめく。

「ぐ、うぉ、ああああああッ!!」

 周囲の空間が、アスカの闇に浸食されていく。

 《ダークマター・カオスワールド》。戦闘中、ランダムタイミングで起動する、アスカの必殺技とでも言うべき存在。

 周囲に存在する命ある者から、特大ダメージと共に最大HPの数値を奪い去る。

 今回はライト。ダメージと共に、そのHPが喰われる。重装備系のライトはもちろん最大HPも多いので、さしたるダメージとはいかないが……問題は、その効果が『ドレイン系』であることだ。

 アスカのHPが、増えていく。時間経過と共に奪われた分は戻って来るが、使用者の最大HPの数値には残ったままだ。

 また、戦況が拮抗した。

「マジかー……」
「マジだよ……ッ!」

 チャージアックスの盾を構えるライトに、アスカの剣技がさく裂する。

 スキル、《暗黒剣》。《原典》の世界にも存在するスキルと同名にして全く異なる、《ダークマター・カオスワールド》の所持条件でもあるそのスキルは、相手にダメージと同時にエクストラダメージを与えやすくするスキルである。

 例えば、出血の状態異常であるとか、部位欠損であるとか。

 ライトが盾を取り出したのは、それを避けるためだ。アスカの攻撃をいなしていく。

 しかし、アスカの動きも以前よりいい。前にもまして、なかなか戦いが動かない。

 アスカが隙を見せないのだ。

 ――――ならば。

 ――――隙を、
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