暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
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Round《4》〜ワンサイド・ワンサイド〜
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 異能使い、そして大量のスキル使いであるライトにとって…それはたとえ《漆黒の勇者》の方であっても…天敵となる。

 ただし――――相手が、スキルが効かない空間でも強い存在ならば、全く意味をなさないのだが。

 例えば《月の剣士》ジンのように、本人に強力な武術の心得がある者や。

 例えばワールドのように、空間そのものに異常をきたすタイプのユニークスキル使いや。

 例えばグリーアシリーズのように、本人が異常に強い者達や。

 そして――――ライトのように、様々な攻撃手段を持った者。

「ドリャァァァッ!!」

 激しい雄叫びと共に、ライトがスラッシュアックスを振り回す。帯電したその一撃は、電撃のダメージこそ入らないモノの、十分に凶悪な威力を秘めている。ライトとアスカのレベルはほとんど変わらない。ライトの世界は早期にSAOがクリアされたため、さほど高レベルではないモノの、筋力重視の彼のステータスは、正直な話アスカよりも上を行く。

 故に、アスカは避ける。そしてカウンター――――

「せぃっ!!」

 体のピンポイントに向けて突きこまれたのは、ワイヤーのような光を放つ剣技。

 本試合初のソードスキルだ。名を、《ハウリング・マリオネット》。モンスター専用状態異常技にまれに存在する、《操り》状態を発現させる唯一のプレイヤー用技。

 この攻撃を食らった相手のアバターは、一定期間技の使い手にコントロールを奪われる。既存のアイテムやスキルで無効化することのできない強力な技、だが……

「――――ふんッ!」

 ソードスキルの輝きが、突如生まれた空間の歪みに吸い込まれて、消える。

 ライトのデータに刻み込まれた、ダーク専用スキル、《滅殺剣》。そのソードスキル無効化スキル、《螺旋》だ。
 
「おいおい、回避できないんじゃねぇのかよ……」

 六連撃全てが消滅したことで、状態異常も無意味なものと化す。技が効かないと悟ったアスカは、すぐに敏捷値を生かして回避する。

 再び距離が空く。だが、ライトには弓がある。現在は装備していないモノの、すぐに取り出せるだろう。

 一度ライトの攻撃を受けたら、あとは成すがままに蹂躙されて終わりだ。連続重攻撃はライトの十八番。

 使われないうちに、倒さなければならない。

「きびしいな……」
「サイレンダーするかね?」
「おことわりだ。おまえもおなじ状況だったら降参なんてしないんじゃねぇのかよ」
「ハハッ、違いねぇ!」

 顰め面で言い放ったアスカに、獰猛に笑い返すライト。

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