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SAO−銀ノ月−
第七十四話
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フの精鋭部隊がカバーしつつ圧倒的な火力で焼き尽くす、といった方法で。

「こっちの戦いはド派手だなぁオイ!」

 そんなクラインの叫び声を耳にしながら、俺もキリトとリーファのコンビへと合流する。こうなれば、ALOのシルフだろうがケットシーだろうがSAOの攻略組だろうが中層プレイヤーだろうが関係ない。

 ただ、目の前の敵を蹴散らして突破するのみ。

「ショウキくん、えーっと……全方位!」

 もう右とか上とか前とかですらなく、周囲の全方位が敵だと少し後方にいるリーファから警告が発せられ、日本刀《銀ノ月》でグルリと回転斬りして守護戦士の鎧を切り裂くと、後方のリーファの魔法が鎧の下に直撃して沈む。

 さらに回転斬りによって生じた風圧を魔法で増し、放たれた光の矢を無効化すると第二波は二度と来ることはなかった。視界の端に、野武士面が弓矢持ちの守護戦士を切り裂いたのを見ると、気配を消して接近してきていた剣持ちの鎧の隙間に日本刀《銀ノ月》を突き刺して貫通する。

 守護戦士以外からは天蓋に張り付いた蜘蛛から、妖精の翼を封じる糸が散弾銃のように発射されていたが、発射される度にシルフの風魔法に撃ち落とされていた。返礼として、ケットシーのドラグーンがファイアブレスを炸裂させるが、それは器用にも蜘蛛の糸で織り上げた盾が防ぎきる。

 そして忘れてはいけないのは、あの天蓋の蜘蛛を倒した瞬間に、倒した守護戦士や蜘蛛が復活する、という特異な特殊能力のことだ。天蓋の向こうへ飛んでいく為には、天蓋に張り付いたあの蜘蛛を排除しなくてはならないが、その蜘蛛を倒しては守護戦士たちが復活し、天蓋の向こうへ飛翔するのを阻む――というジレンマ。

 蜘蛛をあの天蓋から退かそうにも、あの糸の散弾銃と盾がある限り、蜘蛛においそれと近づくことは出来ない。……いや、この四方八方を埋め尽くす守護戦士の前では、どちらにせよ無理か。作戦会議などしている暇はもちろんなく、妙案の出ないうちは蜘蛛への手出しは不可能だった。だがここに留まっていれば、もちろん守護戦士の物量の前に屈することになる……が、撤退もまた論外だ。

 八方塞がりか、と思えるような状況に、苛立ちをぶつけるように守護戦士の顔を蹴り上げると、真一文字に両断する。そして、飛んでくる光の矢や蜘蛛の糸を避けつつ、さらなる攻撃のチャンスを窺っていると、サクヤの鋭い声がフィールドに響き渡った。

「今からアリシャの闇魔法で指示を送る! 送られなかった者は露払いを頼む!」

 そう宣言するサクヤの肩には、キリトの胸ポケットに入ってサポートをしている筈の妖精、ユイの姿があった。俺の周辺で数人のプレイヤーに――レコンが使っていたのと同じ――鏡が出現し、何か指示を受けたらしく下降していく。

 しばし待ってみたが、俺に
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