第十九話
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でそのままじっとしてろ」
「うん、じっとしてる……」
そのまま、俺の膝の上でゆったりとするヴァーリ。
何というか……すごく子供っぽいな。
『ヴァーリが子供ならお前は父親か?はっ!この年齢で父親とは』
「ドライグ、煮沸消毒って知ってる?」
俺はドライグに話しかける。
「何?どうしたの、イッセー。突然」
結構小さな声で言ったんだがクレアには聞こえたようだ。
「ああ、いや。ちょっとな。気にしないでくれ」
『煮沸消毒?確か消毒する対象を煮て消毒する方法だったか?それが一体』
「よし、ちょっとソーナ会長に頼んで鍋を持ってきてもらおう。そこでこいつを煮沸消毒する」
俺はそう言って右手で時を刻む赤龍帝の時計を握り締める。
『ちょっ!?ま、待ってくれ相棒!神器を煮沸消毒するのはいかがなものかと思うぞ!?』
「何だか時計が激しく動いているように見えるのですが……?」
見間違いじゃないよアーシア。実際に動いて抵抗しようとしているから。まあ、抵抗出来ないけどね。
「ま、大方ドライグが何かしらイッセーをからかったんだろう。皆、気にしなくてもいいぞ」
そしてルビアがトドメの一撃を喰らわせる。
『ルビア・エルステインが見捨てた!?というか、今ので全員気にしなくなったな!?少しひどくないか!?』
ドライグは諦めたかと思いきや
『い、いや、まだ希望はある!相棒、これからはイジらないから、煮沸消毒は止めてくれ!』
まだ諦めてはいなかったようだ。
「じゃあ、誓えるな?」
『い、いや、しかし……』
ほう、どうやら余程煮沸されたいと見える。
「ゼノヴィア、ちょっとソーナ会長の所に行ってきて鍋を貰ってきてくれ」
「わかった」
嬉々とした表情で立ち上がるゼノヴィア。
『ちょっ!?わ、わかった誓う!誓うから!』
「「「ちっ」」」
俺とゼノヴィア、そしてルビアは同時に舌打ちする。
『なぜか三人に舌打ちされたぞ!?俺が悪いのか!?』
いや、全面的にお前が悪いだろドライグ。俺たちを怒らせたんだからな。
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