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ヴォルデモート卿の相棒
9と3/4番線からの旅・前編
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そうな顔をした後、すぐに笑顔になり三人に話しかける。

「クレス、あなたは少し不器用な所があるけれど、いつもジークとアレクの事を気にかけてくれていますね。あなたが二人を守ってくれるから、たとえどこであろうと安心してあなた達三人を送り出せます。……ただ、その喧嘩っ早いところは少々改善してくださいね」
「任されたぜ。後半のやつは保証できねぇがな」
クレスは真っ直ぐルーチェの目を見ながら返事をした。

「ジーク、あなたは何かに熱中すると他のことが疎かになってしまうことが少々ありますが、それは決して非難されることではありません。大切なのは、どのように生きることが正しいかではなく、あなたがどのように生きたいかなのです。ただ、何でも一人でしようとしないで。あなたが困ったときに助けてくれる人は、少なくともここに三人いるのだから」
「……承知した」
ジークはモノクルを外して返事をした。

「アレク、あなたは少々自己主張が苦手だけれど、あなたの心の強さは私が一番知っています。そして和を重んじるあなたの心構えは、何にも変えがたいあなたの人徳です。きっとホグワーツでもうまくやっていけるでしょう。それから、少々暴走しがちな二人の手綱はあなたに任せましたよ」
「……えへへっ。大変そうだけど…わかりました」
アレクは今にも泣き出しそうになりながらも笑顔で返事をした。

そうして三人は車両に乗り込んでいった。

「……主の恵み、神の愛、聖霊の交わりが、彼らとともに、豊かにありますように、アーメン」

ルーチェは三人の未来に十字を切りお祈りを済ませ、プラットホームを後にした。










「なんで俺が三人分持たなきゃなんねぇんだよ」
「では、貴様の鍛えた力はいつ生かすのだ?」
「少なくとも今じゃねぇよ」
「クレス、私が一つ持つよ?」
「気持ちだけ受け取っておく。お前に持たせたら事故るのが目に見えてるわ」
「事故らないよ失礼ねっ!」

三人は仲良く(?)最後尾辺りのコンパートメントに移動し、トランクを客室の隅におさめたあと、窓際の席に座った。

「……限界だ、少し仮眠を取る。いい感じの時間帯になったら起こしてくれ……zzz」
「眠るの速っ……」
「さっきまでの真剣な表情をしたお前はどこに行ったんだ?」

席に着いて早々モノクルを外し夢の世界にダイブしたジークを、二人は呆れたように見る。ちなみに席の座り方は真ん中にテーブルを挟んだ3人用の座席×2の片方に集中してアレク、クレス、ジークの順に座った。はたから見れば多少狭苦しく感じるが三人は気にしていない。

「さてどうする? 暇だしチェスでもするか?」
「クレスあんまりチェス強くないじゃん」
「んだとコラ」
「だっていっつもクイーン単体で攻めてく
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