エピソード29 〜万丈目去る〜
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は風前の灯火。『火の粉』で、決着がついてしまうほどだ。もっともSALのデッキは純粋にパワーを上げて殴り続けるビートダウンデッキ……もといゴリラデッキはそのようなバーンカードが入っていなさそうなのが幸い。
「……よっと。へへ、今のは効いたぜ。」
反動をつけて起き上がる十代は残りライフ100という圧倒的ピンチな状況にも拘らずむしろ楽しそうにしている。
『なかなか肝っ玉の座った子ですね……。普通、残りライフ100とか諦めか絶望の表情をするでしょうに。』
まぁ、十代はどんな状況でもデュエルを楽しもうとする奴だからな……。もっとそんな奴が増えれば、プロリーグも楽しいのにな〜。
どこか遠い目をしつつ、過去を懐かしむ。
たかだが苦労して召喚したモンスターを奈落に落とされたり、手札に戻されただけでいちゃもんをつけてこないで欲しい。それが嫌なら、対策しろよ。
愚痴を零していると、エアトスに慈愛のこもった眼差しで見つめられる。少し居心地の悪い思いをしていると十代が伏せていたカードが発動される。
「リバースカードオープン!『ヒーロー逆襲』!」
「ウキッ!?」
E・HEROが戦闘によって破壊された時、手札をランダムで選び、それがE・HEROなら相手モンスターを破壊し、そのモンスターを特殊召喚する、ギャンブルカード。もっとも十代の手札は一枚のみ。賭けも何もあったものではない。
「あ!兄貴の手札って……。」
翔が気が付いたのか、声をあげる。
「俺の手札はスパークマン、一枚だけだ!よって効果が成立だ!来い、スパークマン、イエローバブーンを破壊だ!」
『E・HERO スパークマン』
☆4 DEF1400
スパークマンがイエローバブーンへとライダーキックを決め、破壊する。
パワーアップしたイエローバブーンをいとも簡単に破壊し、翔たちから歓声が上がる。
「ウキッーー!!ワタシの獣族モンスターが効果によって破壊された時に1000ポイントライフ払う事で手札から『森の番人 グリーンバブーン』を特殊召喚する!」
SAL:2700→1700
イエローバブーンの色違い、グリーンバブーンが青筋を額に浮かばせ、肩に棍棒を担ぎ姿を見せる。どうやら、同族をやられて怒り心頭らしい。
「ま、また出てきたぁ!?なんなんすか、あのSAL!」
次から次へと出てくる高攻撃力モンスターのラッシュに翔が悲痛な声をあげる。
「バトルフェイズ中の特殊召喚により、攻撃権は残っている!グリーンバブーンでスパークマンを攻撃!ハンマー・クラブ・デス!」
「スパークマン!?」
大木からそのまま切り取ったような無骨な棍棒を振り回し、スパークマンを叩き潰す。
もし、十代がスパークマンを守備表示で召喚してい
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