桃子、仕掛ける!
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身を寄せた。
「広野君、ありがとう……」
2人に並んで美紅はクリスマスツリーを見上げた。
4.
アオイ、桃子の2人とウイナアの1体でイルミネーションプラスを取り囲んだ。
しかし、動じる様子はない。
「ハハハ。貴様ら、人数を増やせばオレ様に勝てるとでも思っているのか?」
そう言うと高笑いをすると、イルミネーションプラスはムチ化していた手を元に戻した。
「さあね。やってみなきゃわからないけど、悪くない勝負はできるんじゃないかしら」
控えめな言葉とは裏腹に、アオイのその態度は勝ちを確信しているように見えた。
あそして、その態度はイルミネーションプラスの癇に障った。
「なめるなああああああっ!」
そう叫んで、怒りを顕にしたのだ。
しかし、これはアオイの作戦だった。
相手の能力がわからないのだ。もちろん、勝てる自信など持てるはずはない。
しかし、挑発すれば最大限の能力を見せてくれるに違いないと考えた。
それさえわかれば手の打ちようがある。
ディメンションパワーはかなりの割合でイルミネーションプラスの攻撃を防いでくれることはわかっていた。
改良されているとはいえ、ある程度は防御壁になれるはずだ。
きっと勝機はある。
イルミネーションプラスの全身がビリビリと光始めたかと思うと、地上の電気による光が一気に消えた。
一瞬で辺りは真っ暗になった。
アオイにも桃子にも何も見えない。
真っ暗なになった地上のあちらこちらから悲鳴が聞こえ始めた。
そして、真っ暗になったかと思うと地上からが逆に電流が放たれた。
それはまるで地上から放たれた空中を引き裂く雷のようだ。
そして、その電流がイルミネーションプラスに吸い取られていく。
「えっ!?」
アオイと桃子は完全に固まってしまった。
予想よりも相手の力は強力に思え、体が震えた。
「こんなの相手にどうやって勝てばいいのよっ!?」
「広野君っ!?」
クリスマスツリーに見とれていたときに、いきなり街の光が消えた。
周りの人たちがざわざわと騒ぎ始めた。
どこかから悲鳴も聞こえてくる。
真っ暗になったせいでパニックになっている人間もいるようだ。
でも、何か被害が出た様子はない。
単純に、いきなり停電したことに動揺して発せられた悲鳴だった。
「停電かしら?」
リメルやライエルの怪人たちとの戦いを潜り抜けてきた美紅は停電程度では慌てることはなかった。
「いや……」
健太は冷静に空を見上げた。
ヒーローのカンがうずいた。
その時、雷のような光の柱が遠くに見えたのだ。
ヒーローのカンが確信に変わった。
「あれを見て。美紅ちゃん。きっとライエルたちが刺客を送り込んだんだ……」
冷静に健太は言った。
その言葉を受けて美紅はポケットからバッジを
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