桃子、仕掛ける!
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ることが本当に久しぶりだった。
今日は祝日だから早朝のランニングもない。
そして待ち合わせは駅前なのだ。
待ち合わせは10時。
そこから電車で移動して繁華街に出かける。
レストランで食事をして映画を見て街をぶらぶらして、展望台で夜景を楽しむ。
そして、ムードが盛り上がったところで……
そんな当たり前の、マニュアルのようなデートだけれど、それがちゃんとできるかすら不安だった。
デートに誘うのでさえあれだけ緊張したのだから仕方がない。
しかも駅前での待ち合わせは、イヤがおうにも普段とは違う状況を感じてしまう。
だからこそ、服も特別なものを考えていたのだけれど、結局まとまらなかった。
タイムアップで、いつもの格好に落ち着いた。
ただ、待ち合わせの時間ギリギリだ。慌てて必死に走って駅に向かった。
やはりというか当然というか美紅は先に到着していた。
「あ、美紅ちゃん! お待たせ!」
美紅は笑顔で健太を迎えた。
「わ、私も今来たところだから」
いつものおとなしいイメージよりも少しポップに、黄色ベースのダッフルコートを着ていた。
美紅自身も久しぶりのデートをかなり意識していた。
「美紅ちゃん、そんな服持ってたんだ!?」
いつもと少しイメージが違う美紅の格好に健太は驚いた。
「え? 変かな……?」
デートを意識して少し頑張ってみたので、美紅自身も心配だったのだ。
「すごくいいよ! いつもの格好もいいけど、今日の格好もすごくかわいいよ!」
ストレートに褒められて美紅は顔を赤らめた。
「あ、ありがとう……」
いきなりデートに誘われたものだから、ありものでしかコーディネートできなかったので、ちゃんとデートらしい格好ができたのか少し心配していたのだ。
「いやあ、すごくいいよ! 本当にすごくかわいいよ〜!」
健太はずっと褒め続ける。しかも声が大きい。
美紅は恥ずかしくなって居ても立ってもいられなくなってしまった。
「広野君、早く行きましょう! 電車来ちゃうよ」
そう言って先に駅の階段を上り始めた。
その日は昼から桃子とアオイはパトロールを開始した。
昨日、遅くまで作戦を考えていて夜更かししてしまったので、朝起きるのが遅くなったというのが一番の原因だ。特にアオイはディメンションパワーと体力が密接な関係がある。ゆっくり休養をとらないことには敵と対峙したときに実力を発揮することができない。
そんなわけで、昼からの活動開始となったのだ。
街で街中はコートを羽織っていればコスチュームを着ていても問題はなかった。
本当は飛び回って探したかったが、ディメンションパワーは温存しなければいつライト人間に侵食されるかわからないという心配も感じていた。
「今頃、ケン坊は美紅ちゃんとデート楽しんでるのかな?」
本当だった
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