第1巻
買い物からの九頭大蛇
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顕現させる。
「綴る・・・・、氷の闇よ 雪霊よ そなたの息吹を貸しておくれ 死よりも静けく凍えさせておくれ・・・・」
空を覆う暗雲よりも、大蛇が作る影よりも静乃の周囲が暗く翳っていく。彼女の持つ貪欲な魔力が光を喰らい、自然の力を飲み込んでいき更に強くなっていく。サツキは眼を瞠ってたが、《救世主》になって間もないサツキでも理解できる程の静乃の魔力は桁外れだった。まあ静乃的には、力を隠していたが今が見せ場だと思ったのだろう。細い指が滑らかに、全てを停止させる力を綴っていく。光のスペルは三行だったが、静乃がトン、と指先で弾く。不可視の冷気が生まれて、大気の水分を結晶化させながら大蛇へと襲い掛かる。源祖の業の闇術で、第三階梯《凍てつく影》は、蛇独特の鱗が霜に覆われて大蛇を苦痛ののた打ち回る。
「サツキさんと静乃さん!私が言う所に大蛇を誘導して下さい、奴をショッピングモールの所に誘い込みます。サツキさんは通力で走りながら誘導を、静乃さんは先に中へ行き、また《凍てつく影》をお願いします」
そう言った桜花は、大蛇に向かってビームサーベルで傷を付けながら準備に入った。桜花はCB所属の者で、上司ではないがサツキや静乃にとっては諸葉の部下に当たる者だから無言で頷いてから準備に取り掛かる。静乃はショッピングモールに入った後、誰もいないのを確認したらサツキが大蛇を誘導させる。桜花は空高く見ながら、サツキは指示通りに動き、静乃は本気を持って全長何メートルか分からない相手を氷で攻撃。
「これならイケるかも!」
大蛇は静乃の方に行くがそれをさせないために、横合いから蹴っ飛ばして妨害させた。白鉄が黒魔を庇う事は戦術通りのセオリーを厳守。サツキの顔は歓喜だったが、跳んでいる最中だったので、爆音と共に地中からもう一匹の大蛇が出現した。サツキはこれは冗談だと言いながらも、桜花がサツキをキャッチし静乃がいる所まで運ぶと桜花のセンサーは鳴り止まない。
「この数は尋常じゃない数のようですね」
爆音連発と共に、大蛇が地中から出てきては十メートルは超える巨体が出現したので、これはまるで映画の出現シーンだと思われるが事実だ。最初に現れた一ツ眼から九ツ眼が出現した事により、九匹だと思われるが頭と首が9つあるだけで本体は一つ。
「・・・・これは・・・・多頭種?」
静乃が呟いたがそれが答えとなり、九頭大蛇。ダハーカの頭が九つあるようなもんだが、頭の数が増えるほど、爆発的強さを増すという《異端者》。一昨年現れた七面八臂の巨人は、百人がかりでようやく斃せたと授業で習った。だけど桜花達CB側はIS部隊四人による、ライザーソードで
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