第六章 颶風の巫女
第10話 激突する力〜地上編〜
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いる上条に向けて、再び夕弦に視線を戻して呟いた。
耶倶矢「もし……」
夕弦「?」
夕弦も耶倶矢の方を向いて首を傾げた。
耶倶矢「もし……もしもだよ?あいつの言葉が本当だったら、どうする……?」
夕弦「応答。とても素敵だと思いました」
耶倶矢「奇遇ね。私もそう」
夕弦「質問。もし二人で生き残れたら何がしたいですか?」
耶倶矢「そうね……あ、十香が言ってたきな粉パンが食べたいかも。夕弦は?」
夕弦「回答。夕弦は学校に行ってみたいです」
耶倶矢「それいいわね。あんたなら学校中の男を虜にできるわよ」
夕弦「否定。それはありません。耶倶矢も一緒なのですから」
耶倶矢「へ?私も一緒……?」
夕弦「肯定。だってもしもの話です。制限を与えられた覚えはありません」
耶倶矢「あぁ……そうだっけ。そうね。私も……いっ、しょ……」
微かに、耶倶矢の身体が震えたような気がした。
その直後、
耶倶矢の瞳から大粒の涙が溢れ出した。
耶倶矢「ごめん、私、嘘ついてた。……私、死にたく、ない……!夕弦ともっと一緒にいたい!」
次いで、夕弦の?にも涙がひとすじ伝わった。
夕弦「夕弦も……です。消えたく、ありません……耶倶矢と、生きていたいです」
二人が視線を合わせて口を開こうとした。
その刹那、
遥かに巨大な駆動音が耶倶矢と夕弦のさらに上空から聞こえた。
上空を見上げたそこには、後頭部から煙を噴いた巨大な戦艦が浮遊していた。
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