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リリなのinボクらの太陽サーガ
ラジエル
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しかしあれは一体何だ? 古の太陽仔が遺したもの……いや、あれには太陽の力は感じられなかった。なら月光仔……でもない。暗黒仔に最も近い人間の俺でも全く見当が付かないのだから、クイーンですらも理解出来ないだろう。触媒を求めるだけの旅が、なぜか魔女を集め、最後に謎を呼んでしまったな……。

「っ……ここは……?」

「お、気が付いたんか?」

一足先にエレンが目を覚まし、辺りを見回して俺達の姿を見つけると、安心した様にほっと息をついていた。

「はぁ……良かった。ザジもサバタも生きてくれて……私は死んでもいいけど、あなた達まで巻き込みたくないもの……」

「エレン……」

「自分は死んでもいい、か……あんたも大層歪んどるなぁ。何があったんか、後で詳しく教えてもらうで」

「あなたは?」

「噂ぐらいは聞いた事が無いか? 彼女は“ひまわり娘”と呼ばれる伝説の魔女だ」

「もう“娘”って呼ばれる歳でもあらへんけどな。ま、うちは運良く生き延びれただけの魔女や」

「あなたが……。お初にお目にかかります、私は“真空破”の魔女、エレンです。危ない所を助けていただきありがとうございます」

そう言って頭を下げるエレン。自虐的な部分は多いが、基本的に礼儀正しい彼女はそういう面はきっちり行う。

「ところでエレン、おまえは最後まで『風竜の翼』を離さなかったが……あの時は緊急事態だったんだから自分の身を優先しても良かったんだぞ?」

「探し物より私の命を優先してくれるのは嬉しい。でもあの時は“離さなかった”んじゃなくて、“離せなかった”が正しいわ。身体が全く言う事を聞かなかったのよ……まるで暴走した時のように……」

あの時の状態を思い出したエレンは、一瞬体を震わせて腕を抱いた。しかしすぐに気を取り直して、俺達の方に向き合った。

「サバタ……あれって何だったの?」

「わからん、俺もあんな物は初めて見た。しかし……『風竜の翼』が狙いすましたように丁度あの場所にあった事だが、まるで何かの意思によって誘い込まれたような気がする」

「何かの意思? 誰かしら、そんな回りくどい事をするなんて。それに……」

“あの金属板を取り込んでから妙な力が宿っている”

そうエレンは言った。ザジと同様に銀の金属板はエレンが取り込んだ事で、彼女に魔女の力とも違う力が宿ったようだ。力を望んでいない人間には力を与えて……望む人間には与えない、か。

「そんな物が宿って、大事ないか?」

「私は問題ない……けど、相当大きい力だからコントロールしようと思ったらかなり時間がかかると思う。魔女の力もまだ完全じゃないから、また暴走するんじゃないかと思って、正直結構不安ね」

「そうか……」

「それよりザジが気になるわ
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