ラジエル
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サバタが倒れ掛かるうちを支えながら、うちと繋がっている金属板を破壊しようと黒い銃で撃つ。しかし全く通じる気配が無く、それどころか今度はエレンを繋ぎとめている銀色の金属板と共に眼から淡緑色の光が伸び、うちと同じようにサバタに突き刺さる。
「ッ! 何だこれは……う、動けん……!!」
―――アニムス……認定……確認。
「ちか……らが……! 星読みが………勝手に……! ああ……や、やめてっ! うぁあああああああ!!!!」
抑えているのに……使おうとしていないのに、うちの“星読み”は意思に関係なく無理やり発動させられる。“星読み”は星々の動きから神羅万象、過去現在未来を読み解く技。それは究極的には常時の“未来予知”、“全知”にまで発展する。しかしそこまでいくと、永遠に無限にも及ぶ情報量の波にさらされ、自我、精神の崩壊を招くものだった。
うちが“うち”であるためには力を引き出し過ぎてはいけない能力。この旅を始めた頃からうちは“星読み”の底知れ無さを感じ始めていた。故に自分の心が破滅しないために、力を制御できるよう密かに頑張っていた。だから予知の精度が上がってきていたんだけど……うちとしてはこれぐらいの精度で十分、これ以上視えるようにしなくていいと判断していた。
なのに今……! “星読み”はうちの手に及ばない領域まで力を発揮してしまった。止める事が出来なかった……それはかつてのエレンと同じ、暴走だった!
『ヤツさえ! ヤツさえ!! ヤツさえ!!!』
『伯爵を倒したようだな、■■■■!! さすがは太陽少年……』
『憧れのシチュエーション、叶えてやったぞ』
「ま、待ちなさい! 二人を解放して……うわぁあああ!!!!」
『あの時、何故か無性に血が騒いだんだ。騒いで抑えられなかったんだ!』
『もはや猶予はない。決着のときだ……。おまえのおかげで俺の力は極限にまで高まった!! 全力で来い、■ャ■■!!』
「エレン!? くそが……! こんな訳も分からずに……!」
『さようなら……魔法少女たち……願わくば安らかな眠りを……』
『光と影、いつまでも終わらない闘争、犠牲になる命。こんな哀しいことが永遠に繰り返される世界……あっても虚しいだけでしょ?』
「ごめんなさい、ザジ、サバタ……私が迂闊だったせいで……!」
『本当の力とは……いったい何なのか? おまえにはわかるか、ジャ■ゴ?』
『この星に生きるすべての生命を切り捨てようとする銀河宇宙の意思。それに逆らおうと言うおまえ達だ……勝ち目の無い戦いにはなれている、か?』
『母を失い、父をたおし……それでも、俺達は前に進まなければならない。抗い続けること……それだけが、銀河意思に対抗するための唯一絶対の手段!! そうだろう、ジャンゴ?
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