ラジエル
[4/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
い方はしちゃいけない。でも……凄く不安なんだ。両親のように拒否されるんじゃないかと思うと、怖くてたまらないんだ……。
だが後にある事件が発生して、そのタイミングが遅すぎる羽目になるとは、うちもエレンも全く想像していなかった……。
太陽都市にはまだアンデッドがいなかったため、戦いはわずかに住み着いていたモンスターとしか起きなかった。むしろボーボーに生えまくって進行を妨げていた草を刈る方が多かった。芝刈り機の代わりに使うものじゃないんだけどなぁ、魔法も。
太陽都市をうちとエレンは別ルートを進むサバタと交互にスイッチや仕掛けを動作させて、道を開拓していく。最終的に中央広場への道が通じて、両方の道が合流した所で落ち合った。
「無事か?」
「問題ないわ、私もザジも」
「う、うん!」
「……何を緊張してるんだ?」
「き、緊張なんてしてないよ!?」
「………」
さっきの事があったからか、それとも自覚したからか、彼の顔をまともに見る事が出来ず、返事もしどろもどろになってしまった。そんなうちをエレンはニヤニヤして見てくるし、サバタは呆れてため息をついていた。そういう反応が余計恥ずかしい……。
そういう何でもない……しかし心が充足するようなひと時を味わいながら、うちらは中央広場にたどり着いた。目的地であるそこには……人間の眼のような装飾が施された、うちらの知らない凄い力が感じられる、金色に輝く石版と銀色に輝く金属板が少し高い所に浮かんでいた。そしてその下に生物的な翼……『風竜の翼』が落ちていた。
「何かしら……あれって私達の知ってるエナジーとも違う。ま、これはいいわ……それより目的の触媒、『風竜の翼』がこれで……」
「ッ! 離れろ、エレン!」
エレンが手を伸ばして『風竜の翼』を拾おうとした瞬間、銀色の金属板の眼から突然光が伸び、彼女の胸に突き刺さる。途端に辺り一面をすさまじい光量が包み込み、中心から衝撃波が発生する。それによってエレンの傍にいたうちが吹き飛ばされ、咄嗟にサバタが抱えて受け止めてくれた。
「な……何……!? 頭の中に声が!?」
「クッ……近づけない! 早くそこから離れろ、エレン!」
「何を……言ってるの!? わからない、わからないよ! え、私にどうしろって………! 認証? 接続って……いけない! ザジ!!」
「待っててエレン……今助け―――ッ!?」
突然金色の金属板の眼から一筋の光が伸び出し、避ける間もなくうちの胸に突き刺さった。その瞬間、頭の中に焼け焦げるような痛みが走った。まるで……心に何かが無理やり書き込まれていくようだった。
―――アニマ……仮面の認定……確認。
「ザジ! エレン! くそっ、どうなってる!?」
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ