真空波の魔女
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魔法に関わっていく道を選んだとしても、道を誤らない様に気を遣ってくれているのだ」
「魔法が安全と言われているのは非殺傷設定の存在があってこそだもんね。それが無くなれば魔法は一瞬で凶器となる事を、管理局や次元世界の人間はあまり理解していない。それをサバタさんは警戒しているんだろうね……」
「うむ、魔法はあくまで武器、決してその力に飲み込まれてはいけない。戦う者として自分の力の性質を把握するのは当然の責務だ……」
「行動をして起こる結果の予測を、力を振るう者として怠ってはいけない。兄様も……それを十分過ぎる程わかっている」
「それにしてもエレンさんの……親友を助けようとしたのに何も出来なかった悔しさは私もよくわかるわ。私も治癒魔法の使い手、命の重みは誰よりわかっていると自負しているつもりよ」
上からはやて、なのは、ヴィータ、アリサ、シグナム、すずか、ザフィーラ、ネロ、シャマルの順で違った反応をしているが、概ね意図は理解してくれたようだ。魔法の力はあまりに強大で有用だ、だがその力に甘んじて大切な事を見失ってはいけない。それがこの話の教訓だ。
「しかし……エレンさんのように一度で全てを失うのと、ザジさんのように時間をかけて追い詰められていくのとでは、どっちの方が精神的なダメージになるのかしら……」
「シャマル……彼女達本人じゃない私らが言えるのは、どっちも滅茶苦茶辛いって事だけや。気の毒やけどな……」
「……魔法が使える才能、今日まで私はそれを良い意味でしかとらえた事が無かった。実際、次元世界から見れば強力なリンカーコアの才能は得難いものだから。ジュエルシードを求めてフェイトちゃんと戦った時も、この力があったからこそ彼女と意思をぶつけ合えた。でも……世界が違えば、この才能は私の心に牙をむいていた可能性があったんだね……魔女として、人々から忌み嫌われるようになって……」
「なのはちゃん……」
次元世界と世紀末世界、魔導師と魔女、正義と異端、受け入れられた者と受け入れられなかった者……同じ人間同士なのに、こうまで違いが多いのも人間の本質なのだろうか。
「力の暴走か……つい最近まで我が身も同じだったから胸が痛むよ……」
防衛プログラムの事をネロが思い出し、悲しそうに呟く。そっちは俺が何とかしたから既に解決している。もう彼女が思い悩む必要は無い。
さて……一息入れた所で、続きを話そう。
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