神秘
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と言った感じか……。
「……一撃で倒したよ」
「ああ、見事なものだ」
「でも……倒さなければならなかったのかなぁ」
「いくら弱くてもスパイダーはモンスターだ、放置すればヒトや街を襲う。自分の身を守るためにも必要な行為だ」
「綺麗事ばっかり言ってられない、ってことか……」
「そういうわけだ。実践も終わった事だし、そろそろ先に進もうか」
「あ、じゃあしばらくうちに先行させてくれる? 自分はまだまだ弱いから、今の内に練習しておきたい」
「……そうか、確かに早めに“慣れ”ておいた方が良いしな、好きにしてくれ」
彼女が自立するために強くなる必要もあることだし、この提案に異議はなかった。それから『神秘の森』の探索を進める間、彼女が戦闘を行いながら先行していった。もちろん俺も何もしていない訳では無く、時折敵を見逃して危うくなった所を代わりに迎撃したりしている。
そうやってモンスターを倒していきながら俺達は森の最深部……その手前の広場にまでたどり着いた。
「ふぅ……ここが最深部みたい」
「そのようだが……少々厄介な敵が待ち受けていたようだ」
「え?」
広場の中央には鬼が持っていそうなトゲ付の金棒を得物とし、ギザギザの歯をむき出しにして下あごの牙が頭上にまで伸びた、赤茶色の皮膚の怪物が静かに唸り声を響かせて佇んでいた。
「な、なんなのあのバケモノ!? もしかしてあれがアンデッド!?」
「いや……どうやらモンスターの変異体のようだ。体内に入った暗黒物質とどんな生物でも備わっている免疫体との相互作用によって、通常のモンスターとは桁違いの強さを得ている。そしてこの辺りのモンスターの親玉へと成りあがったのがヤツだろう」
「ど、どうしよう……旅が始まった直後でこんなヤバいのを相手にしなきゃいけないの……? うち、生き残れる気がしないんだけど……」
「ま、今のおまえの実力じゃ難しいな。下がってろ、ヤツは俺が滅する」
「ひ、一人で大丈夫なの……?」
「案ずるな。敵が見えていれば俺の辞書に敗北の二文字は無い」
そう告げても未だに心配そうに見つめてくる彼女に、さっさと物陰などに隠れるよう指摘。慌てて彼女は来た道を戻り、木陰に隠れて小動物のように小さくなって見守っていた。
向こうも金棒を振り上げて準備が整った所で……戦闘開始だ。
ヤツは俺の立っている場所に向けて金棒を振り下ろし、俺は横に転がって避ける。その際、空振った金棒が地面を叩き、地面が軽く揺れる。
あの金棒……まともに当たったら危険だな。
安全策としては暗黒ショットで遠距離から地道に攻撃していくべきなのだろうが、俺はその方法を頭ですぐに却下した。なぜなら変異体とはいわゆる暗黒物質に馴染みにくいモンス
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