星屑編 導入
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当な無力感を募らせたのだろう。だからはやては、今度こそ誰かの力になれるよう必死にリハビリに励んでいる。ある意味生き急いでいる、と言うのが適切か?
なら逆に俺は死に急いでいる……いや“急いだ”か。……皮肉だな。
「ま〜たサバタ兄ちゃん、遠くを見とるなぁ」
「そうか? なら気を付けよう」
「いや、そこは別に良いんやけど……。……そういやサバタ兄ちゃん」
「なんだ?」
「サバタ兄ちゃんって、友達とか……仲の良い人おるん?」
「………恭也とかか?」
「確かにあの人とは仲良さそうやけど、アレはむしろ喧嘩友達とか悪友みたいな感じやね」
はやての言う通り、恭也とは何かと話す時が多い。しかし俺が銃の代わりに大剣を主力武器にした事で、なぜか会うたびに剣の手合わせを要求されるようになった。こちらにも都合や事情があるため、負担が残らない軽い勝負しかしてきていないが、武器の違いはあれど、お互いに実力は拮抗している。ゼロシフトを使えば神速を使う恭也とほぼ同じ速度で動けるとはいえ、もし本気で勝負する事になったら正直勝てるかどうかわからない。というかヴァンパイアから人間に戻れたり、暗黒物質を宿しても月の力を経由して順応できたりと、高町家は家族全員色々とおかしい。
あの時の家族の再会の光景を見て、ふと思った事がある。士郎のように親父も……もし人間に戻れていたら、俺達兄弟はどうなっていたんだろうな……と。今更あり得なかった事態を考えるなんて、少しセンチメンタルになっているのかもしれん。両親の事は地雷だらけだ、もう考えないようにしよう。
「そういや初めてお出かけした時に“ひまわり”って人の事をちょびっと話してくれたけど、その人は一体どんな人なん?」
「ザジの事か……そうだな。仕組みは違えど魔法を使う者、魔導師として、俺の世界における魔女の境遇に関するこの話は聞いておくべきかもしれない」
この前のジュエルシード事件の際、幽霊とはいえ魔法バレによってフェイトは危険な目に遭っていた。普通の人間が持っていない力を操る者は、時に疎まれ、時に狙われ、時に異端視される事を、力を振るう者として心に刻み付けておくべきだろう。
「みんな〜! サバタ兄ちゃんの昔話が始まるで〜!」
『は〜い!』
いや……勧めて聞かせるような内容じゃないんだが……。騎士達もノリが良いな、おい。
「魔女って聞くと、中世ヨーロッパの魔女狩りの時代を彷彿とさせるわね」
「魔女狩り……時代がそういう風潮だったとはいえ、特別な血筋を持つ身から見ると最悪の出来事だよね……」
アリサもすずかも、興味があるのか体育座りで参加していた。最近、彼女達がいると何故か妙に安心できる気がする。
世界の違いに対して気楽に興味津々な者が多い中
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