死闘
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〜〜Side of なのは〜〜
「誕生日おめでとう!」と言おうとしたら突然、はやてちゃんの傍に魔力を感じる本が表れて私達を弾き飛ばして、それで起き上がった私の目には、はやてちゃんのリンカーコアが吸い込まれていくのが見えた。
サバタさんはあの本を止めようとはやてちゃんの所に行こうとしたけど、暗黒の力を使う彼でも途中までしか進めなかった。でもそこでアリサちゃんが咄嗟の機転を利かせてサバタさんの部屋から持ってきた暗黒剣を渡したのはいいんだけど、何とか近づけた本に暗黒チャージを使ったサバタさんが吸収されてしまった。
私達は茫然とし、はやてちゃんは彼の名を叫んだ。でも事態は私達の気持ちを無視して進み、本が光った直後、はやてちゃんの目の前に膝をつくような姿勢で4人の人影が現れた。
「闇の書の起動を確認しました」
「我ら、闇の書の蒐集を行い、主を守る守護騎士にございます」
「夜天の主の下に集いし者、ヴォルケンリッター」
「主、ご命令を―――」
「んなもんどうでもええわっ! 早くサバタ兄ちゃんを返さんかぁっ!!」
「な!? お、お待ち下さい主!? 一体どうしたというのです!?」
ピンク髪の女性が半泣きでキレているはやてちゃんを前にして、どうしたらいいのかわからずあわあわしている。他の3人も突然目の前で主が怒っている事に戸惑っているみたいだけど、その理由は私達にはよくわかる。
「なんやの!? フェイトちゃんに覚醒イベントがあるって教えてもらってからずっと期待してたのに、いざそうなったらサバタ兄ちゃんを奪ってくって、そんなイベントいらんわっ!! 返して! サバタ兄ちゃんを返してぇ!!」
「お願いですから落ち着いてください、主!? 目覚めたばかりで我々には何故主がお怒りなのかわからないのです!」
ピンク髪の女性の言う事にも一理あるけど、サバタさんが本の中に消えたのと同じタイミングで現れた彼女達が無関係とは流石に思えない。それにサバタさんの存在は私達の中でも大きいけど、フェイトちゃん達が管理局に連れていかれて唯一家族として同じ家にいる彼にはやてちゃんは依存に近い形で懐いていたから、特に執着が強い。なのに急に奪われたら、そりゃあこうなるよ。
でもおかしいなぁ……サバタさんの事は間違いなく大切に思ってるけど、どうも今の私は驚くほど冷静だ。多分、自分より強い感情を発露している人が近くにいると、対称的に落ち着いてくるみたいな感じだろう。怒鳴ってるはやてちゃんには悪いけど、彼女のおかげで今の状況をどう動けばいいのか、客観的な視点で考えられる。
「(サバタさんの安否も気になるけど、今はまずこの人たちの正体を話してもらうのが先だよね)」
「あ〜ちょっとそこの3人。悪いようにはしないからこっち来て」
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