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リリなのinボクらの太陽サーガ
A's編 覚醒
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「おまえは人間の心の力を甘く見ている。だから……人間の持つ可能性を、おまえに今一度見せてやる!!」

彼女を縛る鎖に暗黒剣を渾身の力で振り降ろし、重厚そうな見た目に反して軽快な破砕音がパリンと鳴り響く。真っ二つになった鎖は徐々に消えていき、辺りに鎖を構成していた魔力の光が霧散していく。

「なッ!!!」

「人間の可能性……世界の可能性……、その一つがこれだ。理解したか?」

あまりの出来事に彼女はさっきまでの悲壮感に満ちた顔から一転、驚愕に染まった表情になる。この次元世界の常識を覆す行為を、例えばクロノなどの人間が見れば受け入れるまで胃が荒れるかもしれない。

「ま、まさか……今の一太刀で私と防衛プログラムとのパスを切断したのか!? 私にも歴代の主達にも出来なかった所業を、こんなあっさりと……!」

副作用で彼女の持っていた何らかの機能も斬れてしまったが、まあ彼女の手が新たな血を流させるよりはマシだろう。それより、俺が斬らなければならないパスはもう一つある。

「おい」

「だ、だがこれで私も少しは出来る事が増えた……っと、ど、どうしたのだ!?」

「随分動揺しているな、この程度で」

「“この程度”で済ませないでくれ! そ、それよりこの流れだと、まだ他にも斬らねばならない鎖があるから、そこへ案内してくれと言うつもりか?」

「正解だ。暴走した防衛プログラムとはやてを繋ぐ鎖、それを断ちに行く」

「そうか……確かに私を解放した兄様なら出来るかもしれない。だが待て……恐らく防衛プログラムは今の一撃で兄様が自分に危害を為せると判断したはず。という事は将達が戻ってきた可能性が」

「無いな」

「む、どうしてそう言い切れるのだ?」

「それは外にあいつらがいるからだ。こうして中で俺がおまえを解放しても未だに何もしてこない様に、外ではあいつらが守護騎士相手に何かしているに違いない。魔力の少ない今の闇の書では、中と外両方に手が回らないから、彼女達を信じて今の内に早く防衛プログラムを対処してしまうべきだ」

「だが……!」

「これ以上グダグダ言ってる暇があるか? 早く案内してくれ、こうしてる間にも時間が惜しい」

「……わかった。兄様が主を信じているように、私も兄様を信じよう。私が本体の傍まで転移するから、しっかり掴まっててくれ」

そしてフェイトの時と同じように、彼女が展開した魔方陣によって俺達は転移した。闇の書の内部な事には変わりないが、転移した場所のすぐ傍には、見るからにおぞましい触手を生やす異形の存在がいた。そしてその存在の近くに白い光……はやての魔力の塊があり、存在から伸びる鎖がそれに絡みついていた。他にも色付きの鎖が4本、彼女のリンカーコアと存在の両方に繋がって、上空の闇に伸びて
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