ダイアゴン横丁
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死ぬっつったよ!? あのマイペースバカがそんなすぐ死ぬわけねぇだろ!」
「そっか……あれ? マイペース云々はクレスも人のこと言えないと思うけど?」
「…………おっ、着いたぞ。『マダムマルキンの洋装点』」
「誤魔化したね」
「やかましい」
店の外で待機しているのであろう2mを超える大男を一瞥しながら、二人は店内に入っていった。
マダム・マルキンは、藤色ずくめの服を着た、愛想のよいずんぐりした魔女だった。
「あら、坊っちゃんと嬢ちゃんホグワーツなの?」
「ああ」
「はいっ♪」
「全部ここで揃いますよ……ちょうど今二人ほど男の子が丈を合わせているところよ」
マダム・マルキンに案内されるまま店の奥に着いて行くと二人の少年が、片方は得意気に、もう片方は不機嫌そうな顔で話し込んでいた。二人は得意気な表情をした青白い、あごのとがった男の子の隣の踏台に並び、マダムマルキンはもう片方のくしゃくしゃの黒髪の少年の丈を合わせる作業に戻り、アレクとクレスには新しく追加された魔女が採寸を始めた。
「おや、君達もホグワーツかい?」
「ああ」
「うん!」
青白い少年の問いかけにアレクは笑顔で、クレスは眠たげな表情で応答した。
「ねえ、君達の両親は僕らと同族なのかい?」
「魔法使いと魔女だよ。そういう意味で聞いてるんなら」
「俺らもそうだな」
「……うん」
青白い少年がまた問いかけると、くしゃくしゃ髪の少年は不機嫌そうに、クレスはどうでもよさそうに、アレクは少し寂しそうに答えた。三人の返事に気をよくしたのか、少年は得意気に語る。
「それはよかった。他の連中は入学させるべきじゃないと思うよ。そう思わないかい? 連中は僕らと同じじゃないんだ。僕らのやり方がわかるような育ち方をしていない。手紙をもらうまではホグワーツの事だって知らなかった奴だっているんだ。考えられないことだとだよ。入学は昔からの魔法使いの名門に限ると思うよ。君達の家族の姓は何て言うの?」
くしゃくしゃの髪の少年は答える前に採寸が終わったので、逃げるように踏台から飛び降りた。よほど青白い少年と会話していたくなかったようで、青白い少年の「ホグワーツでまた会おう。たぶんね」と気取ったセリフを聞き流して店を出ていった。
「それで、君達の家族の姓は?」
「エシャロットだ」
「…………マッキノン」
「……!? その姓は……ということは君達の両親は……」
二人の応答を聞き、さっきまで得意気にしていた少年はバツが悪そうな表情に変わる。
「まあそういうことだ。俺はともかくこいつは気にしてるからあんまり踏み込んでくれるな」
「……すまない、考えが浅はかだったようだ」
「……ううん、大丈夫だから気にしないで」
と、そこで二人の採寸が終わり
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