暁 〜小説投稿サイト〜
ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第5部 トリスタニアの休日
第3章 魅惑の妖精のビスチェ
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ルイズが呆然として尋ねる。

「俺が平民に見えないのと同じ理由だ」

ルイズはまだわからないのか、首を傾げた。

「態度や仕草を見ればバレバレよ!」

ジェシカが笑いながら答えた。

「そ、そんな…」

ルイズは今までの努力は一体……と肩を落とした。

ウルキオラはそんなルイズの様子を横目に紅茶を啜った。

スカロンは床に転がったチュレンヌの財布を見て、楽しげな声で、

「魅惑の妖精のビスチェはルイズちゃんが着ることになりそうね!」

「え?そんな、わたしは……」

スカロンはルイズの耳元で呟く。

「あら、もしかしたらウルちゃんを落せるかもよ?」

ルイズはばっと目を見開いたが、ほんの少しだけ縦に首を振った。

「今回のチップレース優勝は、ウルちゃん&ルイズちゃん!」

店内に拍手が鳴り響いた。




翌日の夕方……。

ルイズはベッドから出てこなかった。

「おい、仕事だ」

「今日は休む」

「なんだと?」

ウルキオラは怪訝に思った。

しかし、本人が休むと言っているのなら別に無理やり引っ張る必要もない。

「わかった」

それだけ言い残し、ウルキオラは扉に向き直る。

扉の横には、優勝賞品の『魅惑の妖精のビスチェ』がかけられている。

賞品といってもこれも持てるのは今日だけだが。

まあ、家宝だからあたりまえなのである。




店に入ると、スカロンが寄ってきた。

「あら?ルイズちゃんは?」

「休みだ」

「あら、そう…」

スカロンは意味のある笑みを浮かべる。

「なんだ?」

「いや、なんでもないわ」

そう言って店の奥へと消えて行った。

ウルキオラはいつものように紅茶をテーブルにおき、情報収集をやろうとしたが、昨日の件が頭から離れず、閉店まで虚空を見つめながら紅茶を啜っていた。




店が閉まると、ウルキオラは例の宿屋に戻った。

部屋の床板から明かりが漏れている。

どうやらルイズは起きているようだ。

扉をあけ、ウルキオラは中に入った。

驚く。

部屋は綺麗に掃き清められ、雑巾までかけたらしく、埃一つ舞っていない。

溜まっていた洗濯物も綺麗に干されている。

「これは……どうした?」

「わ、私がやったのよ、あんたばっかに任せるのも…その、悪いし」

声の方を見てウルキオラはさらに驚く。

テーブルの上に料理とワインがならんで……、それを蝋燭の光が照らしている。

そしてその明かりは……、美しく身なりを整えたルイズも照らしているのだった。

ウルキオラは目を見開いた。

昨日のどす黒い記憶が急速に消えて
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