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ウルキオラの転生物語 inゼロの使い魔
第5部 トリスタニアの休日
第3章 魅惑の妖精のビスチェ
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り下ろす瞬間、店の隅から声が飛んできた。

「ウルキオラ!やめなさい!そこまでする必要はないわ」

ルイズの声がウルキオラの手を止める。

ウルキオラはゆっくりとルイズを見つめた。

「これは命令よ」

ウルキオラは少し考えた。

なにをしているんだ?俺は……。

ウルキオラはここまでの行動を後悔した。

感情に身を任せ、行動してしまったからだ。

ここで不意に気づく。

感情……。

感情だと?

ウルキオラはルイズから目を離し、チュレンヌに向き直った。

ぶるぶると小刻みに震えたまま地に屈している。

無様である。

ウルキオラは溜息をつき、刀を収めた。

「あいつに感謝するんだな」

チュレンヌは頭を垂れ直した。

ルイズがチュレンヌに近寄る。

「今日見たこと、聞いたこと、全部忘れなさい。じゃないと、あんた命がいくつあっても足んないわよ」

「はいっ!誓って!陛下と始祖の御前に誓いまして、今日のことは誰にも口外いたしません!」

そう喚きながら、地を這いながら闇の中へと消えて行った。

ウルキオラは颯爽と椅子についた。

割れんばかりの拍手がウルキオラを襲う。

「すごいわ!ウルちゃん!」

「誰がウルちゃんだ」

スカロンの頓珍漢なあだ名に尽かさず突っ込みを入れる」

「あのチュレンヌの怯えようと言ったらなかったわ!」

「胸がスゥ!としたわ!最高!」

スカロンが、ジェシカが、店の女の子たちが……、ウルキオラを一斉に取り巻いた。

ウルキオラそこでようやく冷静になり、やってしまった、と思った。

ルイズに平民らしくいろと言っていた俺が、一番平民らしくない。

何かどす黒いものが体を支配し、本能のままに行動していた。

ゼロ戦でタルブの村を見たときと同じような…。

これも心なのか?……今はそんな予測しかできない。

ルイズが寄ってきて、ウルキオラに呟く。

「……バカじゃないの!何してんのよ!」

「……」

ウルキオラは一体自分に何が起きているのか考えているためか、ルイズの言葉が入ってこなかった。

「ちょ、ウルキオラ?」

ルイズは軽くウルキオラの肩に手を置き、顔を覗き込む。

「……なんでもない」

ルイズは様子が少し変?と感じた。

問いただそうと、口を開けた瞬間、スカロンがルイズの肩に手を置いた。

「いいのよ」

「へ?」

ルイズは頓珍漢な声を上げた。

「ウルちゃんがただの平民じゃないってことも、ルイズちゃんが貴族だってことも、前からわかってたわよ」

ウルキオラはふいに笑みを浮かべた。

「まあ、そうだろうな」

「ど、どうして?」
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