ターン19 鉄砲水と『D』と冥界の札
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せ、ここにこうしている方がおかしいんだ』
この神様とは思えないぐらい弱気な発言に、一瞬こっちまで返事に詰まる。それを攻めどころと見たのか、ニヤリと笑みを浮かべるミスターT。
「さあ、どちらを選びますか?私もあまり暇ではないので、早いうちに決めていただきたいのですが。ああ、ではこうしましょう」
左腕で意識のない夢想を締め上げながら、右手をスッと親父に向けて伸ばして指を鳴らす。
「うっ……!?」
すると一体何をやったのか、数メートル離れた位置にいた親父がいきなり地面に崩れ落ちた。
「親父っ!」
「おっと、動かなくて結構です。彼はこのように私が預かりますので。民間人は邪魔になりますからね」
親父の体が地面にぶつかる寸前、ライダースーツと手袋に包まれた腕がその体をキャッチする。そこにいたのは、なんとミスターT。いつの間に移動したのかと夢想を捕まえていた方を見ると、そこには依然としてミスターT。
「な、な……」
『相も変わらずの数に頼んだ無限湧き戦法か。だが注意しろマスター、あれは見間違いでも錯覚でもない。すべて本物のミスターTだ』
「「さあ、どうしましたか?あなたの大切な大切なカードを取るか、はたまた自分のご友人、そして肉親を取るか。選んでください」」
チャクチャルさんを手放すなんて、そんなこと僕にはできない。だけど、あっちの2人についてもそれは同じだ。
「「どちらかを選べば、もう片方は助かります。こちらとしては、あなたがどちらを選んでも問題ないのですよ。あなたが立ち直るまでの間に、斎王の計画は完成する」」
「ぐっ………」
完全に板挟みの状態。こんな時、漫画やアニメならヒーローが颯爽と現れて悪を退治してくれるんだろう。だけど、今ここにヒーローは、十代はいない。なら、どうすればいいってのさ。
「ちょっといいかな?本来ならば僕が手を出す義理はないが、斎王の企みについて何か知っているというなら話は別だ。お前たちにデュエルを申し込む、2人まとめてかかってこい!」
僕の後ろの建物の角を曲がって、ちょうどこれまで死角になっていた位置から白いスーツに銀髪の男がコツコツと革靴の音をアスファルトに響かせながら歩いてくる。僕はその顔をよく知っている。僕がユーノの時の魔術師に時間を止められているうちに学校にやって来た、史上最年少のプロデュエリスト。
「エド・フェニックス!」
「ふん、少し様子を見てみれば情けない。そんなに手放したくないものがあるなら、自力で掴み取ればいい。それができないと、それは自分のせいではないと自分に言い聞かせながら生きていくことになるんだ」
そう言いながら何か思うところがあるのか、少し遠くを見るような目つきになったのを僕は見逃さなかった。エドとはろくに
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