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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二百六十六話 戦争計画  
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の約半数だ。訝しく思っているのだろう。そしてその規模の小さい艦隊をヴァレンシュタイン司令長官が率いるというのも驚きなのかもしれない。逆ではないか、そんな思いが有る筈だ。

「今回、フェザーン方面攻略軍は十三個艦隊という膨大な兵力を運用するため幾つかの艦隊を纏めて一個軍として運用する。フェザーン方面攻略軍第一軍は四個艦隊をもって編成する。シュムーデ、リンテレン、ルックナー、ルーディッゲ提督、第一軍総司令官はシュムーデ提督が務める」
第一軍は昨年の内乱ではフェザーン方面で活動した。回廊についても詳しく知っている筈だ、その辺りを買われての任用だ。

「第二軍は五個艦隊、メルカッツ、ケスラー、メックリンガー、ロイエンタール、ミッターマイヤー提督。第二軍総司令官はフェザーン方面軍総司令官、メルカッツ元帥が兼任する。第三軍は四個艦隊、クレメンツ、ルッツ、ファーレンハイト、ワーレン提督。第三軍総司令官はクレメンツ提督とする」
膨大な兵力だ、分かっていた事だが溜息が出そうになった。

「イゼルローン方面軍はヴァレンシュタイン、シュトックハウゼン、レンネンカンプ、ケンプ、アイゼナッハ、ビッテンフェルト、ミュラー提督」
七個艦隊、この兵力で難攻不落を誇るイゼルローン要塞を攻める。イゼルローン要塞にはヤン・ウェンリーが居る。一体どんな戦いになるのか。

「ここまでで質問は?」
シュタインホフ元帥の言葉に会議室にざわめきが起きた。彼方此方で顔を寄せ合って話している。主として文官達の席からのざわめきが多い。手が上がった。ブラッケ民生尚書だった。

「反乱軍の兵力はどの程度になると見ているのです?」
「大凡では有るが七個艦隊から八個艦隊と思われる」
二倍以上の兵力差、三倍に近い。圧倒的だ。
「宜しいですかな?」
ブルックドルフ保安尚書が声を発した。シュタインホフ元帥が頷くと保安尚書が言葉を続けた。

「遠征はどの程度の期間になると軍は考えているのです?」
「約一年を想定している」
「一年ですか、その間帝国領内は軍事的に空白の状態になると思いますが問題は有りませんか? 国内治安において警察だけで対応出来ない状況が発生した場合の対処を如何するのか、お答えいただきたい」

警察だけでは対応出来ない状況か、……反乱、または暴動、破壊工作などだろうな。地球教の脅威もゼロになったわけではない。治安を担当するブルックドルフ保安尚書としては気になるところだ。
「フェザーン方面攻略軍はフェザーン回廊を制圧し反乱軍の勢力圏内に侵攻した時点で第一軍の任務をフェザーン及びフェザーン回廊の警備、補給路の警備、帝国内の治安維持に切り替える。国内治安に関して軍は特に問題は生じないと見ている」
シュタインホフ統帥本部総長が答えると保安尚書が二度、三度と頷いた。


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