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君は僕に似ている
2部分:第二章
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殺した。誰もそれを止めなかった。俺もだ。
 止めようとは思った。けれどあの話を聞いて。それができなかった。
 彼はだ。怒りに満ちた声でこう言った。
「この連中ボスニアでとんでもないことしてるんですね」
「ああ、そうだ」
 その通りだとだ。俺はセルビア人の死体を見ながら言った。頭を撃ち抜かれてだ。口から血を流してそのうえで倒れていた。その死体を見下ろしながらだ。
「ここ以上に虐殺してな」
「収容所ですね」
「とんでもない話だ」
 正直考えたくもなかった。言葉に出すのもはばかれた。
「そんな目的での収容所なんてな」
「それがセルビアのやり方なんですね」
 俺に応える声にだ。これまで以上に憎悪がこもっていた。
「そんなことをするのが」
「御前はそういうことは」
「絶対にしません」
 少なくともそういう奴じゃない。それはわかっていた。
 けれど言葉になったのを聞いてだ。俺は安心した。そこまで荒んでいないことがわかったからだ。
「そんなことは」
「そうだな。俺もだ」
「俺はセルビアの奴等を殺します」
 それは変わらないというのだ。
「けれど。そんなことは」
「けれどな。それはな」
「昔から行われていたんですか」
「そうだ、昔からだ」
 実際にそうだとだ。俺は答えた。調べてだ。それもわかっていた。

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