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リリなのinボクらの太陽サーガ
事後処理
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であろうと。つまり精霊となったアリシアの未来は、無限の闘争が待ち受けていると表せる。

「ま、不老不死は人類の夢と表されているように、何も悪い事ばかりじゃない。未来を見守り続け、明日を守ろうとする人間の力になる事も出来る。ただやはり“代弁者”ゆえ、アリシア単独だと戦う力は大して無い。あくまで彼女は“支える側”……実際に人間の未来を切り開くのは、人間しか出来ないのだ」

「人間を守るのは人間で、彼女はその力になれるだけ……そういうことですね」

「流石、最新の戦艦の艦長を任されるだけあって、理解が早くて助かる」

「じゃあ私があの時、お姉ちゃんとトランス(合身)出来たのはそのため?」

「そうだ。あの姿はジャンゴとおてんこのパターンでも見られた、太陽の力を全身にまとった状態だ。これから“ソルフェイト”と呼称するが、ジャンゴでも時間制限があるのに、太陽仔でもないフェイトがあの姿で戦うのは可能な限り控えた方が良い」

「え、どうして?」

「わからないか? 光が強ければ強いほど、その光が生み出す影もまた強くなる。忘れるな、光差すところ、影は落ちる。影なき光など、無いのだという事を……」

クローンという事実から生まれた年齢を考慮すれば、実はまだ8歳以下かもしれないフェイトにこの哲学は難しいかもしれないが、それでも力を使う者としていつか理解してもらわなければならない。コテンと首を傾げるフェイトとアリシアに対して、リンディら大人達は大体理解出来たのか神妙に頷いていた。

「あと、そうだな……リンディ、報告書では今のアリシアは26年前に死んだアリシアでは無い、と最低限書いておいてくれ」

「管理局員としては虚偽の報告はあまりしたくないのですが……事情が事情ですし、止むを得ませんね。それで、報告では今のアリシアさんはフェイトさんと同様にクローン技術で生み出した、という事にしたいのですか?」

「いや……違う。それだと数年経った後、人間として成長していくフェイトと違ってアリシアの容姿が成長していない事などでいざこざが起きる可能性がある。ゆえに、そうだな……俺達のように事情を知る者の間では本名の“アリシア”と名乗っても大丈夫だが、それ以外の場所では“アリス”という名前の魔導生命体に似た精霊である事にしよう」

「どうしてその名前なの?」

「ママ、“アリス”は魂が欠けて本名を思い出せなかった頃の私が使っていた名前だから、他の新しい偽名より使い慣れてるんだよ。また使う羽目になるのは仕方がないのかもだけど」

「そうなの……それにしてもアリスか……ジュエルシードの暴走で魂が欠けて、それでサバタが修復に力を貸してくれなかったらと思うと、想像するだけで鳥肌が立つわね……」

「禍を転じて福と為しただけだ。とにかく別人……とい
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