事後処理
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来ませんでしたし、そのせいで危険な目に遭った方もいらっしゃいます。危険は無いと太鼓判を押しておきながら、それを違えてしまった事を、管理局の代表として謝らせてください」
珍しく謝罪する俺とリンディを見て、手当の跡が残る彼らは目を丸くする程驚いたものの、ひとまず謝罪を受け入れてくれた。こういうケジメはしっかりつけておかないと、余計な確執を招きかねないので、早めに片付けておいた方が良いものだ。
「……謝罪が済んだ所で、おまえ達の間で話はどこまで進んだのだ?」
「月村家が夜の一族という人間の吸血種で、その秘密を守る契約を交わした所までです」
「そうか。それで……これから諸々の話をまとめる前に、どうしても知っておきたい事がある」
「やっぱり俺か……」
「ああ、高町士郎。太陽仔でも月光仔でも、ましてや暗黒仔でもないおまえがどうして正気を保っていられるのか、最優先で知っておきたい」
ラタトスクに操られていたものの、戦いの最中に正気を取り戻した高町士郎。今は正気だがいずれ再び暴走するかもしれない彼をどうするか、早い内に決めておいた方が良い。ここにいる者はそれをわかっていて口を挟まなかったが、やはり父親の件ゆえ、なのはと恭也の顔には不安の色が見て取れる。
「推測にすぎないけど……サバタ君、君にはアンデッド化を抑制する月光仔の血が流れているんだよね? それで暴走していた俺は、フェイトという子をかばった君の血を吸った事がある。恐らくその血が正気を取り戻すきっかけになったんじゃないかな?」
「あの日の事か……月光仔の血を吸血して正気を取り戻す、そんな事例は一応親父の場合もあったな。ほとんど偶然だが……まあいい、それで?」
「とりあえずそれ以降は、闇に飲み込まれかけた自我を取り戻す抵抗が少し出来るようになったんだ。それまでは家族の下に帰らないと、という意思だけで闇に堕ちないように凌いでいたけど、時々暴走してしまっていたんだ」
「なるほど……恐らくそのタイミングにラタトスクが術をかけていたに違いない。そしてそのタイミングの共通点は……」
「私……ですね」
既にほとんどの事情を理解しているすずかが名乗り出て、「その通りだ」と相槌を打つ。
「ラタトスクの目的はヴァナルガンドを意のままに操ること。そのために必要だったのは月下美人に達する事が出来て、かつ人形として操れる対象。それに月村すずかが選ばれたわけだ」
「ちょっと待って、サバタ。聞きたいんだけど、力に目覚めている意味では私の方が夜の一族の力を使えているわよ? 妹と同じ血が流れてる私じゃなくて、どうしてすずかを狙ったのかしら?」
「……月村忍、恐らくおまえの力は月下美人に昇華出来ないのか、もしくは単に妹のすずかの方が姉よりも月下美人の素質が高か
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