現出
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し、取り込まれたおてんこに力を注ぐべく太陽の光を直に浴びせた。そう考えると彼女の魔法攻撃が効いていないのは、暗黒物質によって弱められたからだけではなく、そもそもダメージを与えられる状態になっていない事が原因となる。サン・ミゲルのヨルムンガンドも太陽の光があって初めて攻撃が通るようになっていた事から、この推測は間違っていないと思われる。
「何とかしてヤツに太陽の光を浴びせなければ……!」
となると一度退避して地球に……いや、俺達が退けばヴァナルガンドは間違いなく追って来るだろうが、アースラに取り付かれれば一巻の終わりだ。あの戦艦のバリアは魔力で構成されているから、暗黒物質の塊も同然のヴァナルガンド相手ではまともに耐えられない。それに……!
「ああああああ!! 私のアリシアを返せぇえええ! このバケモノッ!!」
次元をも超えるプレシアの強力な雷撃にひるまず、ヴァナルガンドはその顎を彼女の正面に向ける。目を細めてヤツの力が集束を感知した俺は急ぎプレシアを掌底で弾き、射線上から押し出す。
「なっ!?」
一瞬我に返ったプレシアが俺を見て驚くが、その直後、俺の視界全てが光で覆われて飲み込まれる。
「グワアアアアアアッ!!」
ソル属性の破壊光線。
俺も一度味わった事がある圧倒的な集束砲撃。砲撃跡はまるで地面がえぐれたかのように削れ、空虚な空間を生み出していた。殲滅に特化した砲撃をまたしても受けてしまった俺は、全身がマグマに落ちたような大ダメージを受け、ごぽっと口から血の塊が吹き出す。
「お兄ちゃぁああああん!!」
フェイトの叫び声が聞こえてくるが、今は彼女に返事が出来る状態では無かった。砲撃をまともに喰らったせいで身体がイカレ、膝をついてしゃがんではいるが立ち上がる事すら出来なくなってしまった。
「またしても残念でしたね、サバタさん」
その時、動けなくなった俺の前に“白装束の少年”が転移で突如現れた。
「クッ……やはり……貴様も来ていたか……“人形使いラタトスク”!」
ヴァナルガンドの傍に現れた“白装束の少年”。俺を再び闇に陥れたイモータルの登場に一同が騒然とする中、俺はまたしてもヤツの所業に憤った。その原因であるヤツが手に抱えているものになのはは叫ぶ。
「すずかちゃん!!」
「な、なのはちゃん! サバタさん!!」
すずかは必死に助けを求めていたが、ラタトスクは仮にも暗黒仔、生半可な相手ではない。それよりヤツの目的は……!
「お久しぶりですね、サバタさん。またあなたとこうして会えて、胸糞悪い程嬉しいですよ」
「こっちは二度と顔も見たくなかったがな、ラタトスク。……貴様、月村すずかをどうするつもりだ?」
「あなたなら既に想像はつくはずです。人形使いと
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