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リリなのinボクらの太陽サーガ
現出
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アリシアの遺体が入ったポッドが吸い込まれてしまった。ヴァナルガンドの顎に挟まったポッドが噛み付かれた力に徐々に耐えられなくなり亀裂が走る。

「ア、アリシアッ!!」

逆鱗に触れられたプレシアがサンダーレイジをヴァナルガンドに何度も放ち、アリシアを取り戻そうと躍起になる。しかし……その努力は叶わず、ポッドは砕け散り……。

グシャァ!!――――ゴクンッ……!

『ッ!!』

アリシアが咀嚼され飲み込まれる音が変に大きく耳に響いた。いくら亡骸といえども、人間が飲み込まれる光景を目の当たりにしてしまったフェイトやなのは達は口を抑えて気分が悪そうにうずくまってしまう。特にフェイトはオリジナルであるため自分とそっくりなアリシアが体内に取り込まれた事で、同じように自分が飲み込まれる錯覚をしてしまい、精神的に激しく動揺していた。

「ぁ………ぁ、ぁ、ぁああぁあああぁああっっ!!!!!!!!」

そしてこれまでも十分荒れていたプレシアは更に狂ってしまい、怒りに任せてジュエルシードから強引に引き出した魔力を使ってサンダーレイジを無数にぶつけていた。

『わ、私の本体が……食べられちゃった……』

[落ち着けアリシア、ひとまずこの前の時のように俺の中に戻ってろ。なにせヴァナルガンドが相手だ、幽霊だろうと無事では済まない可能性がある]

『うん、わかってる……けど……悔しいよ。今の私は実体も持たず、何の役にも立たない。目の前でママが、お兄ちゃんが、フェイトや皆が戦っているのに、私だけ何にもしていない……!』

[……今は何も出来ずとも、いずれおまえの存在が必要な時が必ず訪れる。それまで心を強く持て]

『心を強く……か。幽霊の私に出来るかわからないけどやってみるよ、お兄ちゃん!』

そう鼓舞したアリシアの霊体が俺の中に入り込み、こちらの戦闘態勢が整う。
未だに周囲の物質を吸収しながらヴァナルガンドが両手で振るってきた拳をゼロシフトでどうにか回避、視界の端でプレシアも同様に飛びずさってかわしていた。
この吸引と先程のグロテスクな光景から受けた精神的ショックの影響で他の連中はまともに動けない。それに夢の中でとはいえ、一度戦った時に暗黒銃の攻撃はあまり通らないと把握している。そのため……、

「チッ! 現状ではヤツとまともに対抗する術が無い!」

それに何度も胴体に直撃を受けて少なからずダメージを受けていてもおかしくないプレシアの雷撃も、どういう訳かあまり効いていないように見える。その理由を考えて辺りを見渡し、ふと気づいた。

ここには太陽の光がない。

月の遺跡でジャンゴと戦った際はカーミラの石化能力による援護もあって、ヴァナルガンドを一時的に弱らせる事は出来た。しかし最終的には皆既月食の影からヤツを引きずり出
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