現出
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れません。けど、私は母さんの娘です」
「だから何? 所詮はアリシアの出来損ないの人形のくせに」
玉座の間、そこでフェイト達とプレシアは相対していた。フェイトが自分の心中を語るものの、プレシアはそれを一蹴する。もはや相容れない思想に、フェイトはプレシアを実力行使してでも止めようと戦闘態勢に入る。それに呼応してなのは達もそれぞれの武器を構える。
そして始まる魔法戦。アリシアの遺体が入ったポッドを背後に、ジュエルシードの無尽蔵な魔力に物を言わして強力な雷撃を放つプレシア。対するフェイト達はそれを避けながら、しかし雷撃のあまりの威力にかするだけで蓄積していくダメージで苦戦を強いられていた。未だ収まらないジュエルシードの暴走、それによって更に広がって行く虚数空間の穴。そして……、
ドゴンッ………!!
『ッ!??』
突如戦いとは関係ない、凄まじい振動が時の庭園を襲う。突発的な事態に一瞬硬直するフェイト達をすかさずプレシアは雷撃で薙ぎ払い、弾き飛ばされてしまった彼女達は迂闊に近づけなくなる。
「う……かあさ……!」
「……邪魔者はそこで大人しくしていなさい」
そう言葉を投げ捨てたプレシアはアリシアのポッドに近寄っていき、愛おしそうにポッドの表面を撫でる。
「もうすぐ……もうすぐあなたを生き返らせてあげるわ、アリシア……」
その光景を前にして届かない想いを抱くフェイト達。このままではプレシアを止められず、彼女は虚数空間へと身を投げてしまう。そうなってはここまで来た意味が無い。しかしあの雷撃はまともに直撃すれば撃墜する威力を誇るため、彼女達には打つ手が無かった。それでも手を伸ばすフェイトは、必死に彼が来る事を願った。そして………叶った。
「…………あなたも来たのね、サバタ……」
「お兄ちゃん……」
おぼつかない足取りで母の下に行こうとしたフェイトの手を軽く掴んでおく。後ろから追いかけてきたアルフが悲しげな顔のフェイトを見て、憎々しげにプレシアを睨み付ける。
「……プレシア、虚数空間の穴を閉じろ」
怒りの表情を浮かべるアルフを横目に俺は静かな口調でそう言い、暗黒銃をプレシアに突き付ける。プレシアは狂気に満ちた笑みを浮かべながら返答する。
「そうはいかないのよ。この時を私がどれだけ待ち望んだか、あなたにはわかる?」
「ああ、わからないな。おまえが娘を失ってからどれだけ苦しんできたのか、俺なんかでは想像も出来ないだろう」
「なら邪魔しないでくれる? 約束通りその人形はあなたにくれてやるから、後は好きなようにしなさい」
「そうはいかない。おまえがアルハザードに行こうが、アリシアを生き返らせようが正直な所どうでもいい。しかし……虚数空間に通じる穴だけは今すぐ閉ざせ」
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