運命の竜巻
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気が強く表れてしまった事で自分には無い力を持つマーニに彼女は嫉妬の心を抱いていたのだろう。それなのにマーニは人としての幸せを求めて親父の所へ行った。
自分が手に入れられないものを何もかも手にしたマーニ。対してヘルは彼女に対するコンプレックスもあって、母に対抗しようと暗黒の力に傾倒していった事で益々狂気が表面化していた。そう考えると偽りの母である彼女もまた、運命に翻弄されて闇の犠牲者となったのだと見れる。
もちろん、イストラカンの戦いで世界中に吸血変異を引き起こそうとした事は到底許される事では無い。しかし……彼女も狂気に飲まれるまでの経緯があったのだから、一概に否定するだけでは何も見えなくなる。考える事を止めれば、それは人としての尊厳を否定する事になるのだから。
「端的に言えば俺は正体が吸血鬼だろうがどうでもいい。ただ……彼女を、そして俺自身をも狂気へと走らせた銀河意思ダーク、そしてその意思に従う闇の一族イモータル。ヤツらの思い通りにさせるつもりは無い。ただそれだけだ……」
「…………サバタさん、あなたは……」
「フッ……それにクイーンの下に居なければアイツと出会えなかったかもしれないからな。何も悪い事ばかりだったわけではない」
「アイツ? アイツってもしかしてこの前言ってた……」
すずかが何か思い当たる仕草を見せるが、必要以上にカーミラの事を話すつもりは無かった。のうのうと生きている俺なんかが彼女の想いをこれ以上穢してはならない。もし誰かが彼女の魂と通じるような事があれば話すが、そうならない限りこれからこの世界の未来を生み出していく少女達に、わざわざ人の業の象徴とも言える悲劇を教えなくとも良いだろう。まだ純粋な彼女たちの心に陰りを植え付けるつもりは毛頭ないのだから。
「それに、だ。本当のバケモノというのはおまえ達が想像できる程では到底及ばない脅威を誇る。特殊な血筋の家で生を受けた以上おまえが気にするのも仕方ないかもしれないが、ヒトより多少優れている程度の存在がバケモノなわけがあるまい?」
「あ……!」
「……話は終わりだな。それに、あれもそろそろ閉幕か」
そう、こんな話をしていた一方で、魔導師達の海上の戦いは終局に差し掛かっていた。執務官が加わった事で役割にバランスができ、ユーノと執務官がバインドで足止めし、アルフが防御を担当。その連携で稼いだ時間を使ってフェイトとなのはが同時に巨大な砲撃を放ち、直撃させた竜巻のジュエルシードを6つ全て封印してみせていた。
「お? 終わったみたいやな。あ〜凄かった! 一瞬やられちゃうんやないかと思ってハラハラしたわ〜!」
「案外図太い性格なんだな、その子は」
「複雑な事情持ちのおれ達を匿っている時点でそれは重々わかっているだろう」
「あれ、なん
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