運命の竜巻
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『そうか……そうだったんだ……私は……』
[アリス?]
『あ、ううん、何でもないよ? 気にしないで、お兄ちゃん』
アリスの雰囲気が少し変わっているが、恐らく魂の修復がほぼ済んだ事で記憶などが蘇ってきたのだろう。しかしまだ頭を整理する時間が必要らしく、俺の中に入っていった。
アースラが来てから数日、残っていたジュエルシードの多くは協力する事を選んだ高町なのはによって封印、回収されていた。それとこの前のようなイモータルの襲撃に備えて恭也も彼女と共に現場に来ている。以前恭也を見つけたせいで涙目で帰ってきたフェイトとアルフがそう言っていた。ちなみにその日の夜はおれの布団に二人が潜り込んできている。そこまで怖いか……最早トラウマだな。
「……そろそろ全部集まっても良い頃合いだが……あといくつジュエルシードが残っているんだ?」
「向こうが回収した分を考えると……多分6個だよ」
「全部で21個か。それでその残りの分が全てここにあるのか?」
海を指さして尋ねるとフェイトは頷いた。地上に魔力の気配がないということは、残りは全て海に落ちたと考えるのが妥当。なので海の傍にある舗装された道でそんな話をしていたのだが、流石のおれでも海上だと手を出すのは厳しかった。
「心配しなくても大丈夫だよ、サバタ! あたしとフェイトなら絶対に勝てるって!」
「せやせや、兄ちゃんなんやからフェイトちゃんとアルフさんを信じとかんとな!」
「……心配なのはフェイト達じゃなくておまえだよ、はやて」
「というより、なんで来ちゃったの……?」
なぜかこの場にいるはやてに目線が集中すると、彼女は「皆で見つめられると照れるわぁ〜」と身をよじらせていた。偶に突発的な思い付きで行動するはやてだが、今回もそれに近い感じで、ジュエルシードを封印する現場を見たいと珍しくねだってきたのだ。まぁ、一人ハブにされている気がしていたのかもしれないし、こうなるのも仕方がないか。
「ひとまず巻き込まれない程度に離れた位置ではやてと待つ。こちらにもし攻撃が飛んできてもおれが防ぐから、気にせずフェイトとアルフはジュエルシードの封印を最優先で行動しろ」
『了解!!』
「りょ〜か〜い♪」
意気の良い返事をしておれ達はそれぞれ指定したポイントに移動する。いつものように風景が無味無色になる結界をフェイトが張ると、はやてもこれからが本場の戦いである事を本能で感じ取り緊張した面持ちで見守る。
フェイトが魔力の塊を海面に落としてしばらくした後、最初の一つをきっかけに海中のジュエルシードが次々と連鎖的に発動、巨大な竜巻となって現れた。
「うわっ、ちょっ……!? あんなんホンマに倒せるんか!? ゴォーって竜巻がいっぱいやん!!」
「暴走の度合いが
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