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リリなのinボクらの太陽サーガ
肝試し
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「あ、白いのもいたのかい。ってそんな事より、あたしが焦ってる訳はコレを見ればわかるよ!」

アルフが手に持っていた金色に輝く三角形の宝石を見せてくる。これはフェイトのデバイスの……。

「バルディッシュじゃないか。なんでアルフがそれを…………ッ!」

「そうだよ! フェイトがバルディッシュを持っていない、という事は今のあの子はまともに魔法が使えない状態なんだ!」

「えぇ!? じゃ、じゃあフェイトちゃん大丈夫なの? 今一人ぼっちなんだよね!?」

「それよりもアルフ、バルディッシュをどこで拾った?」

「この先にある4階のナースステーションの傍だよ! 案内するからついて来て!」

「わかった。ああ、なのは、暗いから足を踏み外すなよ」

「私だけ名指し!? む〜、そんなにどんくさくな―――にゃっ!?」

やはりか……!
俺が言った傍から転んだなのはを咄嗟に抱え込むように支える。彼女はあまり運動が得意ではないと日中知ったため、期待を裏切らない運動音痴ぶりにほとほとため息が出る。

「あ、ありがとう、サバタさん……」

「……怪我は無いか? 無いなら急ぐぞ」

「は、はい!(何だろう……この胸の奥から感じるポカポカあったかい気持ちは……? お兄ちゃんやお母さん、お姉ちゃんから感じるものとはどこか違うような……む〜?)」

なのはが何かを感じて不思議な顔をしているが、それは置いておき、アルフに案内されてたどり着いた場所はこれまでの廊下と同じような景色の続く場所だったが、風化を除けばそこだけ少し違う雰囲気を感じていた。これまで“静”の気配しか漂っていなかったのが、ここに来てほんのわずかに“動”の気配が混じっているのだ。何が原因なのか見回してみると、俺は床に落ちている小さなナイフ……医学用語でメスという刃物を見つけた。

「………ここは手術室が遠い、にも関わらずこれが落ちている……。という事は、誰かがわざと落としたとしか……」

「サバタさん! コレ見て欲しいの!」

近くの部屋をしらみつぶしに探していたなのはが何かを見つけ、俺とアルフを呼ぶ。彼女が示したのは、ボロボロのベッドと一体化して遠隔操作できる仕組みの麻酔銃と照準台。即効性の麻酔が使われているから使い方としては不意打ちで撃ち込むタイプだが、大人を狙うにしては照準が高い。故にこの高さで狙うとしたら……、

「なのは、ちょっとそこに立ってみろ」

「え? うん、わかったの……」

部屋の入り口になのはを立たせると、麻酔銃の照準は大体彼女の首元に向いていた。やはりこれは彼女のような少女がターゲットになっている。という事は十中八九フェイトはコレで狙い撃たれたか……。しかし誰に?

『お兄ちゃん! フェイトの居場所がわかったよ!』


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