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リリなのinボクらの太陽サーガ
肝試し
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どっちも雰囲気的に粘着質じゃない! それ仮にも女性に付ける呼び名じゃないわよ!」

「だがおまえはさっきそれでいいと言って了承したではないか。だから“ねとねと”と呼ばせてもらうぞ」

「え、ま、マジ!? 本当にそれで呼ぶの!?」

「当然だ。では“ねとねと”、さっき俺を呼び止めて何を伝えようとしたのだ? 絶対有益な話と言っていた以上、生半可な内容ではないのだろう、“ねとねと”」

「……………………」

「どうした、“ねとねと”、何を俯いて黙っている“ねとねと”。さっさと話したらどうだ“ねとねと”」

「も……もう“ねとねと”って呼ばないでぇー!!」

彼女の女性としてのプライドにヒビが入った魂の叫びが店内に響き渡った。どこかで読んだ事のある精神攻撃を喰らった彼女は本気で慟哭の涙を流していたが、流石に敵対しているとはいえ煽り過ぎただろうか。

「私には……私にはリーゼロッテって名前があるのよぉーー!! “ねとねと”じゃなぁーい!!」

テーブルに突っ伏して大の大人が号泣していた。いくら怪しいとはいえ二回も泣かせてしまうとは少々大人げなかったな、反省しよう。

なお、注文した料理が来て食べ始めると彼女は泣きながら我武者羅にがっついた。そこまで腹が減ってたのか……この女、もしかして仕事ができず収入が無いホームレスなのか? そう思うと何だか可哀想に見えてきた。

「……何か勘違いしているようだけど、私ちゃんと職あるから。結構偉い立場だから」

「偉い立場の人間ならこんな所で油を売っている訳が無いだろう。しかも初対面の相手に食費をたかっておいて、職があるだと? はっ!」

「何だろう……私、この少年に色んな意味で勝てる気がしなくなってきた……。もう色々どうでもよくなったわ……」

年下に完全に言い負かされた年上の構図が完成。社会人が子供に喧嘩を売って返り討ちにあった気分を彼女は味わっているのだろう。本当に偉い立場の人間ならプライドがズタズタになっているに違いない。
カルボナーラ……トマトケチャップの香りがするスパゲッティを食べ終え、使い捨てナプキンで口を拭いているリーゼロッテに、本題の話を切り出した。

「さて……いい加減話を進めよう。おまえはどういう意図があって俺に接触してきたのだ?」

「単純に言うと情報提供よ。この街に落ちたジュエルシード、その一つがある場所をね」

「そうか。それは確かに有益な情報だが、おまえが次元世界出身の魔導師なら不可解な点がある。……なぜおまえが回収しない? いや、なぜその事を管理局に告げない? 上空には管理局の戦艦が来ているのだから、やましい事をしていないのならそっちに情報提供すれば良いものを」

「そう疑うのも当然よね。まあ、久しぶりにまともな食事をさせてくれ
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