肝試し
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しみをほぐしていった。
「おまえの歳では命や世界の仕組みに関して難しい事はわからないかもしれない。しかし、この光景をおまえはどう思う?」
「どうって……」
「どことなく嬉しいだろう?」
「……うん。無事に会えて良かったと思うの」
「そうか。おまえのおかげで見れた光景だ、誇りに思ってもいいぞ」
「え、でも私はただ転んだだけで、実際は何にもしてないの……」
「いや、隠し扉を見つけられたのはおまえのおかげだ。内容や意図は関係なく結果的にそうなったとはいえ、これはおまえの功績だ」
「そんなに褒められると……なんか照れるの」
「褒められる事をしたのだから褒められて当然だろう、素直に受け取っておけ」
少し立ち直ってきたなのはを撫でていると、アルフとの再会を堪能したフェイトが俺の腰に抱き着いてきた。何も言わず、彼女の頭も安心する様に撫でておく。
「……一人ぼっちになった時、捕まって動けなかった時、お兄ちゃんならきっと来てくれると信じてた……。ありがとう、助けてくれて」
「……フェイト、その言葉を言う相手はもう一人いるぞ。ほら、賢いおまえならわかるはずだ」
「ふぇっ!? え、ええっと、そ、その……うん」
俺から離れてなのはに向かい合うと、顔を赤らめながらフェイトはたどたどしくも言葉を紡ぎ出した。
「あ……あり……、……すぅ〜はぁ〜……んっ。……あ、ありが……とう……」
「ど、どういたしまして……」
モジモジしているフェイトの可愛さに当てられて、なのはもつい赤くなって目を逸らしているが、まあ今回の件は意図せずこいつらの仲の進展にはなったようだ。
『うんうん、良かった良かった♪ ま、幽霊の私がスルーなのはしょうがないけどね。でもフェイトに何もなくてホント良かった』
[そうだな。しかし……何かを忘れている気がするのだが……]
『あ、それ私も。なんかこう……欲しくてもいざ手に入れると全然使わなくなってそのまま忘れちゃった道具みたいな感じなんだけど、さっきの騒動のせいでさっぱり思い出せないや』
[ああ、確かにそんな感じだが、この俺も忘れる程だ。今更気にする必要は無いか]
『だよね〜♪ じゃ、帰ろっか。こんな辛気臭い場所からさっさとオサラバしようよ!』
[幽霊が辛気臭いとか、おまえも中々言うようになったな]
アリスの冗談に苦笑しながら俺達は綺麗な月の光が注ぐ地上に戻ってきた。やはり暗黒寄りである俺の性か、太陽の光よりも月の光の方が気持ちよく感じる。
「今日はありがとう。でも……次こそはジュエルシードを手に入れるから」
「うん、また会おうね。フェイトちゃん」
「今回は助けてもらったけど、次からは敵同士だからね、なのは!」
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