肝試し
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[そうか、場所はどこだ?]
『ここの地下にある隠し部屋だよ! 急いで! このままじゃフェイトが!』
アリスのファインプレーのおかげでフェイトの居場所がわかり、理由云々はともかくその事を二人に伝えて俺達は地下に急いだ。所々崩れた階段を一足飛びで駆け抜けていく俺とアルフ、走りじゃ追い付けないため飛行魔法で飛ぶなのは。屋内故に狭いから速度はあまり無いとはいえ、ある意味安全な移動法ではあるな。
[それで、どうしてフェイトの居場所がわかったんだ?]
『私一応幽霊だから壁をすり抜けられて、それでしらみつぶしに突き抜けていったら何故か一階の床を通り抜けられたんだよ。理屈はわからないけど、地下が無ければ幽霊でも地面を通れないから変だと思って潜ってみると、何かやっばい部屋でフェイトが捕まってたんだ』
[そうか。しかし入り口の案内ではこの病院に地下は無かったはずだが……どういう事だ?]
『流石にそこまでは私もわからないよ!』
別にそこまで期待した訳では無い。それより一階に着いたのは良いが、地下に向かう階段が無かった。今更だがこの階段が地下に通じていないなら、地下にはどう行けばいいのだ?
『お兄ちゃん、あの子……』
アリスが指差した方向には、この病院に入る前に見えた薄ら光る人影の正体であろう病人服の少女がいた。暗がりからじぃ〜っと俺を見つめる彼女は、徐に手招きをしてから闇の中に走り出した。……何故か追い掛けなければならない気がしたので彼女を追うと、廊下の途中にある何の変哲もない壁の前で少女は立ち止まった。
「ここに何かあるのか………?」
「サバタ〜! 急に走り出してどうしたんだい!?」
「はぁ……はぁ……、何かわかったんですか?」
俺を追いかけてきたアルフとなのは。念のため彼女達の方を一度振り返って無事を確認した後、再び少女の方を向くと……、
「……?」
まるで蜃気楼だったかの如く少女がいなくなっていた。どこに行ったのか知らないが、彼女がここに案内してきたのには何か意味があるのだろう。そしてその意味は恐らくすぐ近くにある。
……そういえば周りを見渡して思ったが、ここだけ妙に病室と病室の間隔がやけに広い気がする。設計ミスか? それとも別の理由があるのか?
「サバタさん、ここに一体何が……うにゃ!?」
近寄ってきたなのはが疲れていたせいでまた転び、フォローが間に合わず壁に額がぶち当たる。
「うぅ……おでこが痛いの……」
涙目で額をさするなのはだが、俺は今の衝撃で壁が僅かに動いた事に驚いていた。まさかと思い、アルフと共に壁に力を込めて押してみると……バキンっと留め具が弾け飛ぶような金属音がしてから徐々に壁が後ろに動いたのだ。
「隠し扉か……! 厄介な仕掛けをしていた
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