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リリなのinボクらの太陽サーガ
契約
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ためだ」と案じるような言葉を返した。彼の心を無作為に掘り返す事は自分達には出来ない、それと彼の珍しい気遣いもあって、はやてとフェイトとアルフは自分達の兄の罪を何も言わず静かに受け入れた。過去に何をさせられたかは関係ない、今ここにいるぶっきらぼうながらも愛情を注いでくれる彼を大切に思えればそれでいいと。元の世界で家族も居場所も失った彼にこれ以上闇を抱えさせたくない、と。

「(それにしても……あれもこの世界に来てしまっているのだろうか。全てを破滅に追いやる絶対存在……破壊の獣ヴァナルガンド。もしそうなら、始末は自分の手で付けなくてはならない)」

一方で内心、そうサバタは決意した。

契約の話も済んだ事で初日から放置しっぱなしだった月村家との関係も修繕し、おれは近くの部屋から漂う恭也のプレッシャーや上空に浮かんでいる管理局の戦艦アースラのサーチャーの気配を感じた事で、帰りははやてとフェイト達を連れて暗黒転移を使用した。一瞬で八神家の玄関に着いた事に、初めての転移を体験したはやては驚きながらも楽しんでおり、フェイトとアルフも自分達の魔法とは違う転移の感覚に違和感を覚えていた。

とりあえず予定外だった目的は達したのでフェイト達は午後から再びジュエルシード捜索に乗り出すかと思ったら、何やら庭で新しい魔法の練習をしていた。一見では普段用いている速度魔法と同じだが、それだけでは直撃してしまうようにアルフの魔力弾がわざわざ進路上に複数置いてあり、今行っている練習はそれを真っ直ぐ進みながら一瞬でかわす内容だった。

「よっ、はっ……あ!? うわっ!」

「あ、惜しかった! 半分だけかすったね」

「う〜ん……もう少しでモノにできそうなんだけど……」

「頑張れ〜フェイト〜!」

「……何をしているんだ?」

アルフに尋ねると、要するにフェイトはおれの月光魔法を自分達の使う魔法で再現しようとしているらしい。それで今はおれもよく使う月光魔法ゼロシフトを練習しており、フェイトの機動力を重視した戦術とは相性がかなり良いから、もし使えるようになれば手札が増え、何より回避率が上がってイモータルに襲撃されてもアンデッドにされず生き残る確率が高まる。……今更だがゼロシフトはかなり有用な魔法だったのだな。

「お兄ちゃんの月光魔法って、無敵時間のある高速移動のゼロシフトと、周囲を闇に閉ざすブラックサン、瞬間移動の暗黒転移くらい?」

「他にも触れると現れる氷柱を罠として仕掛けたり、火炎弾で広範囲に爆発を引き起こす属性魔法も使える。あと対人なら瞬時に閉じ込められるブラックホールを生み出したり、攻撃されると自爆する幻影魔法もあるぞ」

「攻撃されると自爆って、それ何気に凶悪な性能だよね。使えれば便利なんだけど、私に幻影魔法の素質は無いし……」
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