契約
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結構本とか読んどるからな、私ら良い読書仲間になれるんとちゃうか?」
「うん、それは嬉しいかも」
どうやら閉鎖的な環境で出歩けなかったはやてに、おれ達と違い趣味の合う友人が出来そうだ。はやてもフェイトも将来的にはおれの支え無しでやっていかなければならないから、この出会いは貴重だ。
そして一方、フェイトは本当に同席してきたアリサ・バニングスにじろじろと見られて恥ずかしくなったのか僅かに赤面していた。
「へぇ〜、この子がなのはとジュエルシードをめぐって敵対してる魔導師ね……何よ、凄く大人しい子じゃない。てっきり『フハハハ! ジュエルシードは我がもらっていくぞ!』みたいにジャイアニズムな性格してるのかと思ってたわ」
「そ、そんな事は……」
弁論しようとした時、ふとフェイトは以前ここに来た時に口にしていた『ジュエルシードはもらっていきます』という台詞を思い出し、言い方が違うだけでやってる事は見事にジャイアニズムであると気づき、軽いショックを受けて落ち込んだ。放っておいても大丈夫だが、少しいじってみるか。
「アリサ・バニングス、フェイトを食べたりするなよ?」
「誰が食べるかぁーー!! ってフェイトもそんなに怯えないの! ただの冗談だから! 別に私は取って食ったりしないから!!」
「ほ、ほんとに……? 近づいた瞬間、パクッてしない?」
「しない、しないから! というか何でさっきの言葉を純粋に信じちゃうのよ!」
「だ、だって……手を差し出したらいきなり飲み込まれる映画をこの前見たから……」
「私はぁ! カオナシじゃあ!! ないわよぉおおおおお!!!」
怒髪天を突くと言うべきか、アリサの怒気で彼女の背後に業火が幻視され、頭のツインテールが上にピンと張っていた。おまけに拳を握った両手も上に振り上げて怒鳴るものだから、余計迫力が際立っていた。
やはりというか、この場に集まった面子ではアリサのリアクションが最も突き抜けている。後に知った事だが、この時はやては密かに彼女とコンビ組んで芸人の道を目指そうかと思案していたらしい。というかちょっと火薬放り込むだけでここまで爆発する辺り、アリサの性格がどれだけ燃えやすいかがうかがえる。
とりあえず場が落ち着いてから居間に案内された後、当初の約束通り食事をしながら月村忍から本来の取引を大まかに教えてもらった。要するに夜の一族の事を知ったら周りに口外しない事を契約するか、彼女の力で夜の一族の事を忘れて元の生活に戻るか、の二択が本来の取引内容である。対して今回は敵に世紀末世界のヴァンパイア、イモータルがいるため吸血鬼の事を忘れてしまったらイモータルの事も副次的に忘れる可能性がある。故に忘れさせる事は出来ないが、ここで先に言った他者に口外しない事と敵対しない事を誓う同盟
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