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リリなのinボクらの太陽サーガ
会談
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、あなたの世界の魔法ですか?」

「魔法には違いないが、あくまで一部に過ぎん。それと一度見ればわかるが、おまえ達の使う魔法とは内容も性質も異なる。おれのエナジーは暗黒物質ダークマターだから使える月光魔法も特殊だ」

「月光魔法?」

「世紀末世界の魔法の仕組みについて詳しく説明するとなると小一時間は余裕でかかるぞ? 今は他の話をする方が賢明だと思うが?」

「……そうですね、サバタさんの世界に存在する別の魔法体系について色々訊きたい事もあるけど、優先すべき事はそこじゃありませんね。……それで、ヒトを滅ぼす力とあなたは言ってましたけど、それはどういう意味があってそのように?」

リンディはサバタの使う力が見た目からして人体に危険性の高いものだと見ていた。といってもそれはあくまで非殺傷設定の効果が及ばない程の攻撃力や殺傷能力が必要以上に高過ぎる程度だと思っていた。しかし……サバタの言葉は何一つ誇張が含まれていない事を次の言葉で思い知らされる。

「簡単な事だ。この暗黒物質によって……世紀末世界の人間の多くが死に絶えたからだ」

「なっ……!」

沈黙。

この場にいる全ての人間が言葉を失う。それもそのはず、サバタの使う力は文字通り“ヒトを滅ぼす”力であった事を使い手である彼自身の口から聞いてしまったのだ。誰も何も言えない空気の中、サバタは暗黒物質に侵された人間がどうなるかの説明を始める。

「暗黒物質に浸食された人間は吸血変異を引き起こし、反生命種アンデッドとなって生きとし生ける存在を襲う。アンデッドは理性を失い、生命を奪う活動を永久に続ける。ちょうどさっきの奴のようにな」

その言葉を聞いた恭也は父親の現在の状態を理解した事で辛い表情になる。また、この世界の吸血鬼である月村家の人達は、世紀末世界に吸血変異が引き起こされた事で人類が絶滅しかけている真実に複雑な気持ちを抱いていた。

「……なぜ、サバタさんの世界はそんな事に?」

「人類を超越したとある存在が地球に吸血変異を引き起こしたからだ。……銀河意思ダーク、宇宙を作り出した存在だ」

「銀河意思ダーク……」

「あ! だから初対面の時、アンタは知らないかって私たちに訊いたのね!」

「……あの時尋ねてきた理由は今の話を聞いたらもうわかるよね。……あれ? じゃあもう一つ訊いてきたイモータルって何なんですか?」

「……銀河意思が生み出したイモータルとは地球の……銀河の存続のために、いずれ銀河系を侵す存在である人類を無害な反生命種アンデッドに変える事で延命しようとしているヴァンパイアの事だ」

「無害だと!? 大勢の人の命を奪う事を延命するためと言って正当化するとは、なんて奴らだ!」

「人類が銀河系を侵すって決めつけるなんて……サバタ
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