激突
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ジを与えただけで終わった。その理由と障壁を破ったグレネードから推理したプレシアは、サバタの力は周囲の魔力素を消失させ、魔法の威力などを弱める効果があると見抜いた。
「でもこれならどうかしら!」
手間はかかるがフォトンスフィアを発生させて、魔力弾を大量に発射する物量戦を挑むプレシア。対するサバタ、構えた暗黒銃にエネルギーをチャージして迎え撃つ。
「フォトンランサー・デストロイシフト!!」
12個のスフィアから秒間60発の光弾が30秒、全部で21600個という桁違いな量の魔力弾が一斉にサバタに降り注ぎ、凄まじい轟音と比例して土煙が巻き起こる。その威力は時の庭園全体が振動する程であり、建物の外にいたアルフはぞわっと背筋に冷たいものが走っていた。
「ハァ……ハァ……、いくら魔力が消されるとしても、これだけの量は消せないでしょう……!! ゴホッ、ゴホッ!」
いかにも具合が悪そうに咳き込み、押さえた手にこびりついた血を密かに拭う。とある事情で体力にあまり余裕の無いプレシアは、その体力が残っている内に決着をつけようと先程の大技を使う事を決めたのだ。最初に放たれた闇も消えていき、攻撃した場所から物音がしない事で勝ちを確信したプレシアは不敵に笑う。
土煙が晴れればそこには倒れた彼がいる、そう思っていたプレシアだが……その予想は覆された。
「……ハァ……ハァ…かろうじて耐え切ったか」
相当負傷しながらも、サバタは立っていた。あの弾幕の中、暗黒独楽で魔力を消滅させながら火炎弾の爆風で衝撃を外にそらすという方法を使う事で、被弾のダメージを最小限に抑えたのだ。
「久しぶりに驚いたわ……即席で考え付いたとはいえ、あの魔法を耐えるなんて……」
「正直に言うと、かなりきわどかったがな。尤も、おかげで頭が冷えてお互いに少しは冷静になれたか」
そう言ってサバタは銃口を引き、暗黒銃をホルダーにしまう。それを訝しんだプレシアは眉間にしわを寄せる。
「少々手違いがあったが、まあ勘違いするな。元々おまえを倒しに来たんじゃない。フェイトの事で訊きたい事があるだけで、わざわざ家庭内の事情をかき乱すつもりは無い」
「いや、十分かき乱しているわよ。計画の邪魔をする気が無いなら別にいいけど。それで? フェイトの何を知りたいのかしら?」
「おまえがジュエルシードを集めさせている理由もそれなりに気になるが、大方叶えたい願いがあるのだと推測できる。が、その願望自体には大して興味が湧かん。それよりフェイトが愛に飢えている理由だ。……これは俺の推測なんだがプレシア、おまえはフェイトに愛を注いだ事が無いのか?」
「ッ……なぜそんな事を訊くの?」
「別に……俺なりにあいつを理解しようとしているだけだ。あいつの心が闇に堕ち、暗黒の
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