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戦闘城塞エヴァンゲリオン
第1話Bパート『負け犬にウイルス』
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ですねー」

愛想よく笑顔を見せておねだりのつもりなのだろうか?
それより人に迷惑をかける行為はいけない。

「そんな。金は、無い」
「ダウトですっ。どんな貧乏学生でも今時1テラ、2テラのHD位買えないことは…」

最後フェードアウトしたのは、通帳の残高と財布の中身を強く思い浮かべたからか。
意外と便利だ。ははは、少しだけ気分がいい。

「しくしくしく。とんだマスターに拾われてしまったのですよー」

じゃあ、他をあたってくれ。

「そういうわけにも、いかないのですよ。
マスターは、ゴミ捨て場に捨てられて
そのままスクラップになりかねなかったウィル子を拾ってくれた命の恩人なのです。
うーん、うーん」

現状を打破する方法を考えているらしい。
そんなものがあれば、だが。…いや?

「ぴんぽーんっ。運がよかったですねマスター
ウィル子は義理堅いウイルスですので、マスターのために一肌脱ぐのです」

つまりは。

ノートパソコンの画面が切り替わる。

  ***参加者募集***

  大会名:『聖魔杯』

  優勝者には、世界を律する権利として聖魔王の称号と、その証である聖魔杯が与えられる。

  参加資格:人間と、自立した意思を持つ人間以外の者の、ペア

  会場  :第三新東京市 市内全域
  優勝賞品:『聖魔王』の称号
  副賞  :聖魔杯
  大会期間:優勝者が決定するまで
  優勝資格:勝利し続けること
  勝負方法:問わず
  付帯事項:武器・防具・その他アイテムの持ち込みは自由とする

  受付期間:告知開始より一年
  受付場所:会場内に受付を複数設置しております別途マップ参照のこと

  ※その他詳しい内容は受付会場で配布の『聖魔杯の手引き』を参照ください

  **********



これか。


  ◇  ◇  3  ◇  ◇


人間と、人間以外のペア。ヒデオは人間で、ウィル子はウイルスだから参加資格を満たす。
この大会で優勝したからといってどうなるのか?はっきりしないが、これに参加する方向でまとまった。


しかし、先立つものがない。第三新東京市までの足代だ。
しかも、受付期間である一年。実は大会告知から今日でちょうど365日。
つまり今日から明日にかけての深夜12時が締め切り。

「マスター。何か手はないのですかーっ」

ウィル子は先程からインターネットで格安チケット情報などを検索中だが
今日中に辿り着けて、予算に収まる方法は見つかっていない。


ふと、思い出したことがある。

「何なのですかーっ」

口にしなくても伝わるのはすごく便利だ。いや、そのことを思い出したのではなく。

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