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リリなのinボクらの太陽サーガ
衝突
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元空間座標の感覚はわからないから、利用させてもらおう」

一瞬はやても連れて行くべきか考えたが、時の庭園という場所がどんな所かわからない以上、もしもの事態になった時に彼女がいると咄嗟に対処出来ないとアリスの件で重々身に染みたため、少し心苦しいが家に残していく事に決めた。

「それで母さんへのお土産なんだけど、この店のケーキが良いかなぁと思ったんだ」

“美味しい洋菓子”という特集のあるページを開いて、フェイトは分かりやすいよう指を指して見せてきた。喫茶【翠屋】か……この前の期間限定プリンと違う店だが、位置もそれなりに近く、特集に載る程味も良いのなら確かにお土産には妥当である。

「それを今見せるという事は、まだ買ってないのか?」

「うん、当日中に買った方が良いかなぁって思って」

「ならさっさと行くぞ。こういう雑誌に載るという事は、売れ行きも相当なものになっている可能性が高い」

「あ、売り切れるかもしれないもんね。じゃ、行こっ!」

「いやいや流石にこんな早く売り切れたりはしないはずだよ。ま……あの女が大人しく食べるとは思えないけどねぇ(ボソッ)」

……? アルフ、おまえはフェイトの母親の事を嫌っているのか? まさかと思うが……フェイトに対してネグレクトなのか? ……益々会う必要が出て来たな。

そんなわけで一人マイペース、一人意気揚々、一人渋面のまま翠屋に到着すると……。

「いらっしゃいませぇ……(ゴゴゴゴ……)!!!」

『…………』

なぜか殺気を放ってくる店員がいた。今にも斬りかかってきそうな殺気にフェイトとアルフが涙目で怯えておれの後ろに隠れる。それによって益々この店員の視線がおれに集まる。そう、その店員こそ初日に色々あって今日まで何となく放置していた剣士、恭也であった。彼の睨みがとにかく針の筵の如く刺さりまくっているが、その全てを無視する事に決めた。

「きょ、恭ちゃん……」

まぁ、この店の眼鏡をかけた女性店員や周りのテーブル席の客が相当青い顔をしているが気にしない。名札の【高町】という姓に凄まじいまでの既視感を感じるが、とにかく気にしない。気にしないったら気にしない。
いや……彼が怒るのも何となく理由に想像はついている。あれからずっとこの世界の夜の一族関連の話を有耶無耶なままにしているからな。だがまぁ、流石にこんな開店した途端に客にやらかす程、冷静さを失っている訳ではあるまい。つまりここでのベターな対応は……。

「ケーキ、お持ち帰りで」

客としての線引きを最後まで守ればいい。店員が客に攻撃を仕掛けるような事をすれば店に悪影響が及ぶ事ぐらい誰でも理解している。店の評判は一度下がると中々上げるのは難しいらしいしな。ならばその領域さえ侵さなければ、こちらの安全は保障さ
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