相談
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って嫌いになったりはせえへんよ。わざわざ自分を敵に見せかけているだけ、この問いが真剣なのがわかるし。むしろ内緒のままにしないでしっかり話してくれた分、私らの好感度上がっとるで」
アルフ、フェイト、はやての返事は、正直予想を裏切られた。少なからず気味悪がられたり、恐れられたりする覚悟はしていたのだが、まさか一人もそんな態度をとるどころか普通に受け入れてくるとは……。
「フッハッハッハッハッ! なるほど、おまえ達はジャンゴに匹敵するほどお人好しだな!」
「む〜なにもそこまで笑うことないやろ?」
「でも、サバタがこんなに笑ったのは初めて見たよ」
「確かに少し前のフェイト並にいつも鉄面皮だったもんね。珍しいものが見れたと考えれば良いんじゃない?」
そうして彼女達は微笑み、部屋の中が穏やかな空気に包まれる。しかし……おれは受け入れてくれた喜びを感じた反面、彼女達の心の強さに嫉妬に近い憧憬を抱いてしまった。月の血が抱える慈愛と狂気の“狂気”が作用したのかもしれないが、そんな感情を抱いてしまう自分の弱さに苛立ちを感じる。
自分の弱さを認めることのできない心……おれの未熟な部分であるそれを克服しなければ、いつしか再び惨劇を招く可能性がある。だから……奇跡的に与えられた時間の間に、おれも変わらなくてはならない。今のおれは“暗黒少年”、“月下美人”の力に振り回されている粗末な人形に過ぎないのだから。
っと、そういえば吸血鬼といえばこれも注意しておいた方が良いな。
「先に忠告しておくが、この街には噛まれてもアンデッド化しないタイプの吸血鬼がいる。こちらから手を出さない限り恐らく害は無いから敵対する必要はないぞ?」
「……ちゅうかイモータルが来なくても海鳴市に吸血鬼おったんか。さっきまでアンデッドの脅威の話をしとったのに、最後になってほぼ無害な吸血鬼もおるって言われても、私らどうせいっちゅうねん」
「それにそのタイプの吸血鬼がどんな見た目なのか教えてもらわないと、判別に困るよね。私が知ってるのは長身で赤眼で刀二本持ってて血の気が全く通ってない白い体色だったけど、そっちはイモータルらしいし」
「……改めて冷静に考えると、この街って実は人外魔境だったのかい。事前情報じゃあ脅威はほとんどないって聞いてたはずなのに、あの白い魔導師の事も含めて全然そんな事無かったよ」
「事前情報が違ったり、状況が刻々と変動するのはいつもの事だ。それで件の吸血鬼だが、見た目は普通の人間とほとんど変わりない。人間と同じくアンデッドなのかそうじゃないかですぐ判別できる」
「あれ、そうなの? じゃああんな怖い見た目じゃないんだね、良かったぁ……」
「わからんよ〜? 後ろからいきなりがぶっと噛まれるかもしれへんで〜?」
「こ〜
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