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101番目の百物語 畏集いし百鬼夜行
第八話
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の場所まで向かうのだろう。手持ちのもので出来る行動はいくつか思いついているので、後はちゃんと注意してタイミングを逃さないことと、ただでさえ少ない体力を消費しすぎないことを考えればいい。いつ終わるのか分からない以上、どこかで水分を追加調達する必要もあるだろう。そんな余裕はないが。
 そんな状況の中で既に夢で見た場面に似たものがちらほらと出てきたため、考え事を中断してこちらに向かって走ってきた人に向けて水筒を投げつける。それが上手いこと足に当たってくれて転んでくれたので、一つ目はそれで終わった。
 次は確か……とそこで銃を後ろに投げて邪魔をし、タックルをして押し倒す。美人だったために少しドキッとしたが、すぐにそんな場合ではないことを思い出して立ち上がり、そのまま走る。

「……それにしても、何で俺なんだろうな……」

 こんな目に会うのには、心当たりがないわけじゃない。この都市伝説を知っていたこととか、俺が良く分からないものの主人公になったこととか、原因はそんなところだろう。
 だがしかし、ここまでしつこく狙われるほどの何かがあるのだろうか。

「……さすがにそっちの心当たりはないんだが……まあ、ここまでする以上は何かあるんだろうな……」

 こっちに関わる事情なのか向こうの事情なのかは分からないが、そう言う事なのだろう。一度夢を再現されたくらいならちょうどよかったでも済まされるかもしれないが、こうも何度も見せ、再現し繰り返したらには何かあるはずだ。そして、そんな心当たりは俺には無いので……

「多分、向こうのはず。なら……」

 ここまでするほどのことなら、と続けようとしたところで、夢を見た。
 これまでにないくらいに単純で、分かりやすいやり方。ナイフを持った女性が、それをこちらに向けて突っ込んでくる、というもの。それが三つ目に来ていた。

「……よし、やるか!」

 そうと決めたらすぐにとりかかる。幼馴染が数少ない取り柄だと保証してくれたそれは、こんな時でも発揮された。さて、そうと決まれば。

「いっちょ死んできますか!」

◆2010‐??‐??T??:??:??  “???”

 一つ目と二つ目は相手に接触できそうになかったので回避して、次の三つ目……ナイフで殺されるやつで仕掛けることにした。一応、そのための準備も終わっている。……覚悟を決めただけなんだけど。

「っと、そろそろかな」

 だんだんと視界の物が夢で見たそれに重なってきたので、いつ来ても大丈夫なように気を張り、そして……視界が完全に夢で見たそれと一致した瞬間、女性が前方からナイフを突き出した体勢で走ってくる。それに対して俺は直前まで動かずに夢の通りにして……ナイフが当たる直前によけて、そのまま抱きしめる。
 これまでに分かったこ
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