少年は加速するようです Round3
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……?真面目に対戦なんてしたんで疲れましたね。倉島先輩のアバターを
見せて貰うのはまた今度って事で……あぁ、ちゃんと覚えておいて下さいね、
ボクのペットになるって約束。言うまでもないですけど、他言は控えてくださいね。
羽根を返して欲しければ。それじゃあ失礼します。」
溢れた殺気に気付いたのか、矢継ぎ早に言ってその場を去った能美。
ハルっちのフォローもしたいけど、こっちが最優先。さぁ・・お仕事を始めますか。
枝からひとっ跳び、体育館に入る廊下の上に着地し、能美を待ち、声をかける。
「やっほ〜、こんにちわぁ。」
「えっ、こ、こんにちは。ええと……なにか御用でしょうか?」
見事に猫なんだか化けの皮かを被った能美。事情を知らなければ、人懐っこい
笑顔に騙される事だろう。だが生憎・・・それ以上のを見慣れている。
「用事って程でもないんだけどねぇ〜。ほら、お・と・し・も・の。」
ぱしっ
「っ………これ、なんでしょうか?ボクのじゃ―――」
「やれやれ、演技が直ぐ崩れるなダスク・テイカー。あおっちょろい。
用事とはな、卵から孵ったばかりの雛風情が随分粋がっているのでな、少々
先達として灸でも据えてやろうかと来たんだよ。」
俺が"ダスク・テイカー"と呼んだ瞬間、また驚きと呆れの顔になる。
そして心底気持ち悪そうな顔をして溜息をつく。
「はぁー……成程、有田先輩の関係者ですか。言っておき「"歪め"。」がっ!?」
ドッ!
「良い、別に俺は敵討ちとか友の為などと言うつもりはない。
単に貴様が気に食わんからシメようと言うだけだ。」
「くっ……!?」
足元の空間を揺らし転ばせ、屋根から飛び降りる。懐からケーブルを出し、直結。
先程とは立場が逆。今度は、あちらが奪われる番だ。
「"バースト・リンク"!」
バシィィィッ!
瞬間、周囲が青くなり停止し、校舎と木々が朽ちて行く。空がオレンジに染まり、渇いた
風が吹いた。中々レアな"黄昏"ステージだ。燃え易い・脆い・意外と暗い、と
派手な戦闘になりやすい為人気のステージだ。
そして視界の中央の上方に1800のカウント、そこから左右に青いHPバーが伸び、
その下に少し細い緑の必殺ゲージが伸び――【Fight!】の掛け声と共に1799になり、
目の前の黒いアバターから乾いた声が響いた。
「……やれやれ、困るんですよね。無駄な争いはしたくないんですけど。」
「なら黙って突っ立ってると良い。尤も、そんなつまらん事したらポイント全損するまで
直結対戦しちゃうけどね☆」
「チッ………ああ、あなたが最近騒がれてるニュービーだっ
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