少年は加速するようです Round3
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れよりも問題なのは能美がマッチングリストに現れない方です。」
何度考えても信じられない事だ。半年前の『バックドア・プログラム』事件以後
パッチが当たって同じような裏技は使えなくなっている。
能美がバーストリンカーで梅郷中ローカルネットに接続しているなら、マッチング
リストに登録されていなければおかしい。つまり、登録されていないと言う事は
能美はローカルネットに接続していないと言う事になる。
「だが、学校にいる生徒が学内ネットに接続していないなどと言う事は有り得ん。
授業中も剣道の試合中も、など……。学校の基幹サーバーに侵入すればあるいは?
しかし露見すれば中学と言えど退学だ、あまりにリスキーすぎる。
やぱり、何かしらの違反プログラムを使って他プレイヤーのマッチングリストから
自分の名前を消しているのだろう。」
再度述べられた先輩の意見をなんとか理解して、肯定する。
結局能美の件は実際に仕掛けを破り、対戦をしてからだと決着した。
「本当は私が真っ先に戦いたい所なんだが、明日から一週間もここを離れてしまう
からな。うぅん、やはり仮病でも使って休んで――」
「だ、ダメですよ!?中学の修学旅行なんて一生に一度じゃないですか!
この件は僕らに任せてください!」
「う、うむ……でもあまり無理はするなよ。そうだ、お土産は何が欲しい?」
今までそんな経験無かったので思わず固まってしまったけど、そう、そんな制度
あったっけ。沖縄、沖縄か・・・いやいやいや、なんでそこで水着姿が
思い浮かぶんだ。
「あ、あのぉ……あまりかさばる物も悪いので、先輩が撮った動画とかを
見せて貰えれば、それで……。」
「なんだ、そんなもので良いのか?それじゃあたっぷり撮って送ってやろう。」
・・・多分、それを見ても嬉しいのと残念なので変な気持ちになると思います。
………
……
…
先輩と話した2日後、月曜日。言われた通り朝一番に勧誘をしてしまおうと
早めに学校に来て、誰かに捕まる前に愁磨君を呼ぼうとしたら、それより早く
来ていた女子達に囲まれてまたしても髪を弄られていた。
先輩との約束(強制)と一瞬の恥を天秤にかけた結果、恐る恐る声をかける。
「あ、あの、ちょっといい、です、か?」
「うぬ?はいはい、ちょっとごめんね。」
「チョイ待ちチョイ待ち!後ちょっとだから!こー、れー、でー……よし!」
「ありがとぉ〜。んじゃぁいこっかハルっち〜。」
「は、はぁ……。」
声をかけただけで相手が分かったのか、一足先に教室を出た靡く白い髪を追う。
廊下を渡り、階段を
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