少年は加速するようです Round3
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い、似合ってるよ"など
言える訳もなくっていや待て男相手に素直にって何を考えてるんだ僕は。
10秒か20秒かもっと短かったのか長かったのか・・・緩やかに下がった眉が
段々吊り上り、同時に頬も膨れて行き、ゆっくりと右手が上がり。
「てやっ!」
デシッ
「うぼっ!?」
見た目にそぐわない予想以上に痛いチョップを食らい、思いっきり非難を込めた
目を向けたが、既に女子軍団の方に走って行っていたので慌てて目を戻した。
横を向いたせいか、はたまた声が大きいのか。聞こえてしまった疑惑については
またしても心の中で問うしか出来なかった。
「え、なに、あの人と知り合い?」
「うん、拳を交わしたおともだち♪」
「なにそれ、へんなのー!」
いや、確かに拳どころか激闘したけども!いや、それで友達?
・・・・・見た目とは正反対で男らしい人なのかもしれない。
………
……
…
「イ…ヤァァァッ!」
ズバッ!
目の前で漆黒のアバター"ブラック・ロータス"の右脚が青紫色の光芒を引いて
垂直に蹴り上げられ、腰から肩までを切り裂かれた敵近接型はそのまま
くるくる回りながら吹っ飛びビルに突っ込んで動かなくなった。
目の前に浮かび上がったチームの勝利表示を眺め、その下の今日行なわれた対戦の
通算勝利成績が8割を超えた事に安堵しながら、先輩の下に駆け寄った。
「や、お疲れ、シルバー・クロウ、シアン・パイル。」
「お疲れ様です!」
「お疲れ様です。」
僕の後に続き、ビルの中から現れたシアン・パイルは落ち着いた声で言ったが、
慌てた風に小声で続けた。
「すみません、部活の休憩時間中なのでこれで失礼します。マスター、明日からの
沖縄旅行、楽しんで来てください。それと、クロウ。」
「うん?」
「今日は凄かったね。何があったのかなぁ〜?じゃ!」
「っちょ、ば!」
文句を言ってやる暇も無くバーストアウトしたタクを怨みつつ唸ると、
横にいる先輩がふふ、と小さく笑った。
「彼もすっかり剣道部員だな。早速レギュラー入りしたそうじゃないか。」
「え、ええまぁ。相変わらず凄かったですよ。」
「それはなによりだ。それで?確かに今日の君は自棄気味に気合が入っていたが
どうしたんだ?」
「………ええと、すごーくどうでも良いことなんですが。」
優しく聞いているようでその実、強制的なその声に仕方なく昼の出来事を話す。
勿論、対戦相手とギャラリーがいないのを確認して。
すると不機嫌なような、心底どうでも良いような溜息をつく。
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