少年は加速するようです Round3
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に埋め込まれると、そこに失われた王国の紋章が現れる。
ゲージの100%を消費するこの必殺。その威力は――
グォッ!
「なっ……!?」
「『跪け、王の帰還ぞ!!』」
ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!
「う、うわぁああああああああああああああ!!」
瞬間、ステージの空が歪み、そこから次々と光の柱が降り立つ。
直径は5mを優に超え、周囲500mに降り注ぐ攻撃は一撃で炎の悪魔の羽を根から削ぎ、同時に
腕を肩から抉り取った。それにより背中のタンクが爆破し、腹に風穴が開き足も吹き飛び、
成すすべも無く落ちて来た。
ドサァッ!
「あ……ぐ、あ………。」
「ふーむ、何でまだHPが残ってるのかが不思議だなぁ。」
『トドメを刺しましょうか、主。』
シュリンシュリン――
「男気溢れるお言葉で………。」
右手の玉から骨の様な、機械の様な鎌を数本生成し首に突き付ける。
本当はこれからこれを使って空を飛んだりしつつ切り刻んでやろうと思ったんだが・・・。
「仕方ない、じゃ、これでおしまいっと。」
ドズドズドズドズ!
「がっ!ぐっ!がぁああ!」
『主、人の事言う所ありませんよね……。』
―――【YOU WIN!!】
地に伏した黒いアバターを串刺しにし、残り数ドットを削り切った。
簡素な勝利宣言と共に加速が終了し青くなった現実へと戻り、徐々に色がつく。
動けるようになった所でケーブルを抜き、ひらっと手を振って教室へ戻る。
「うじゃあねぇ〜。また相手したげるから、も〜〜〜ちょい強くなってねぇ。」
喧嘩を売ったにも関わらず、返って来たのは憎悪でも無く悲哀でもなく。
ただただ、何が起こったのか分からないと言うポカーンとした目だった。
………
……
…
「ってかんじ〜。がんばった!」
「偉いわぁ、良くやったわ。ただ、苛められ無かったのが残念ねぇ〜。」
「………何故君がここに居るのかね。」
今日の出来事を報告すべく沖縄まで転移って飯を一緒に食っていたら、
ヒメちゃんに白い目で文句を言われてしまった。
いや、向こうの家に帰っても良いんだけどね。やっぱ離れてると寂しいじゃない。
「今頃ハルっちはハカセと作戦会議してるのかなぁ。チユちゃんと一緒に。
それとも落ち込んでるのかなぁ?チユちゃんが慰めてるのかなぁ?」
「……な、何故私の方を見るんだ。と言うかそのいやらしい目をやめんか!」
「うふふふふ、分かってるくせにぃ〜。」
二人でニヤニヤしながらヒメちゃんを苛めていたら、顔を真っ赤にして
席を立ってズカズカと歩いていってしまう。
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